使用料

勝利だギューちゃん

第1話

僕は一軒家に住んでいる。

なので、小さいながらにも庭がある。

木も生えている。


夏になると、セミがオーケストラを開く。

セミも限られた時間で、子孫を残さないといけないので大変なのだ。


それはわかる。

だが・・・


うちの庭でオーケストラをやる以上、勝手に開催されてはこまる。

それなりの使用量をいただかないと。


『おケチ』

「ケチじゃない。勝手に開催されては困る」


今日はセミとの交渉だ。


『セミから金取るのか?』

「お前さん、この木で脱皮したよな」

『それが何か?』

「セミは、5~6年は地中で過ごす」

『だから?』

「という事は、その間はただでうちの敷地内で生活してたんだ」

『宿代払えと?』

「話が早いな」


こうして僕は、セミから宿代、会場使用料を請求した。

もし、ここで決婚式をあげたらそれもいただこう。


『残念ながら、そっちは無理』

「なぜだ?」


『俺はもてないから、嫁さん多分来ない』


不憫に思った僕は、請求するのをやめた。

男はどの生物も辛い。

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使用料 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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