寒野さん……

寒野さんが有給を取ったら前日までに引き継ぎ書を完璧に作っておかないと電話がかかってくるし、なんなら引き継ぎ書を作っておいても電話がかかってくる。
有給中、寝ている間は仕事の夢を見る。休んで良かったのかという罪悪感がある。その答え合わせかのように電話が鳴る。
「寒野さん、あれって何処にあったっけ？」
引き継ぎ書にそれはしっかり書いてある。休まなければ良かったなって思う。
耐えれない。耐えられないよ寒野さん……。
この光は他人が押し付けた重荷で光ってるんだねきっと。