理解者や味方のいないはずの、似たもの同士の二人は、ずっと居心地の悪い空気の中で生きてきたんだと思うのですが、その二人こそが相性ぴったりというのが最高ですね。真面目そうな陽太と、不真面目そうな結月ちゃんは、どちらも親の育て方から派生して、とても潔癖なところがある。それを受け入れられて理解し合える最強のコンビってのが本当に良かったです。
空気感を作るのが本当にうまい！　最後の、もう少し一緒にいようっていうシーンがものすごく輝いてました。ハピエン万歳！！！！

結月と陽太は、真逆のようでありながら、「誰にも惹かれない」という一点が共通しているんですね。それに起因する振る舞いすら真逆なのですけど。
ごく平凡な環境で一緒にありふれた悪さをした真っ当な子供時代があって、二人ともそこで大事な部分が止まってしまったのかもしれませんね。
互いに邪魔をしない関係性は、この二人だからこそ成立するもののように感じました。一緒に暮らせば、二人ともありのままの心でいられるんじゃないかなと思いました。
荒んで澱んだ倦怠感から、それを一掃するような清々しいラストで、終始絶妙な空気感の物語でした。面白かったです！