第9話 うっせぇよ


   生まれたばかりの赤ちゃんの俺も、それを出産した母親は夫にぼこられ放置されている。

 ちくしょう。

 この異世界は良識がない奴等ばかりなのか。

 

 「GAME」

 「GAME」


 うっせぇよ。


 しかし、魂に刻まれた4文字だ。

 驚く事ではない。

 この異世界も、オロチの理の内だ。


 この異世界にも、ゲームがある。


 この異世界でのゲームがどんなものなのか。

 この異世界でのプレイヤー達のレベル。

 プレイング。流行。

 確かめておく良い機会だ。


 この状況に不満はあるが、見なければならない。


 父親と、落ち着いた男がコントローラーを手にする。


 うん。

 コントローラーを使うんだな。


 ディスプレイが現れ、2人がディスプレイを向く。


 2人の、自らの姿を模したキャラクターがディスプレイに現れる。


 2人のキャラが、互いに向き合っている。


 ふむ。スタンダードなゲームスタイルだな。


 流石にそれぐらいは、魂が記憶している。


 【GAME START】


 アナウンスが流れ、父親のキャラが相手に向けてダッシュする。


 とにかく、距離を詰めてくキャラか。


 俺は、ひとまずコントローラーを見た。

 画面ばかり見ていてはだめだ。

 コントローラー入力を見て、この異世界でのコントローラー入力を学ばなければならない。


 X Y X A。


 うん、みた所そんな所だ。

 うん?


 聴こえてくるゲーム音声からするに、この入力で間違っていないようだ。


 少し、独特な操作だな。


 落ち着いた男の手元を見ると、↓ ↑ → → ← A。

 ううむ。


 画面に目を戻すと、落ち着いた男のキャラは、攻撃を流している。


 攻撃するには、ボタンを複数入力して、防御側はスティック操作を中心に相手の攻撃を流すシステムなのだろうか。


 これは、俺の前世までの記憶に、魂に、残っていない。

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ブスで冴えない幼馴染に小竜景光されて異世界転生でお願いしますと言ったけど地獄行きでお願いします。俺の事どこかの英雄と勘違いしてませんか 甘いからあげ @pankana

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