第8話 友人の妻の出産の場に友人と全力で遊ぶ気でくる奴を良識のある人間とは言わない


  「うるせぇ」

 「俺に指図すんじゃねぇ」

 

 父親は、自らの妻を殴るのを辞める。

 

 今度は、怒りが入ってきた男に向かったようだ。


 「指図するなか」

 「指図されるのが嫌だったらどうするんだ」


 「指図する奴を黙らせる」


 「正解だ」


 なんだこいつら。

 この落ち着いた男は。 

 この男は、俺の父親と親しいのは、やり取りを見てたら嫌でもわかる。

 まるで、待ち構えていたかのように、さぁ、遊ぼうという様子だ。

 

 俺の父親よりはましなんだろうが。

 出産を終えたばかりの女性がぼこされてるのだから。

 そっちに気をかけてもいいんじゃないだろうか。

 千代美と呼んでるし。

 俺の母親とも親しい関係なんだろう。


 だが、そんな事よりもこの男は、俺の父親と遊びたくて仕方ないようだ。

 父親の怒りが向こうに行ったのは助かった。

 だがさ、何しにきやがったんだこいつとも言いたい。


 友人の妻が、出産するという時に、友人と全力で遊ぶ気満々で来る男が、

良識のある人間と言えるだろうか。

 言えないなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る