夏少女
池田青空
初夏
これはある夏の物語の一つに過ぎない
夢を見た、包まれた光の中から背景が徐々に姿を表していく、太陽の光に照らされ、ハイカラな光を反射する海、壮大な青空は海を包み込むようにそこにいる。歩き出すと沈み込むような感触、どうやら浜辺にいるようだ。俺は海の魅力に惹かれ歩き出す、しばらくぼーっと歩いているとそこには少女が
いた、白いワンピースに大きくて白くツバの広い帽子、そこからはみ出る鮮やな黒く長い髪、こちらに背を向け、海を眺めているようだ、波の音がするたびに少女の足は海に浸る、その光景はまるで絵になるようなな光景であった、少女は気配を感じたのかこちらを振り向く、と同時に視界がぼやけ始め少女の顔が認識できない、そして少女は口を開き
「私を探して」
ゆっくりと目を開ける、そこは教室だった。
どうやら寝落ちしてしまったらしい
窓辺から覗いてくる斜陽になんとなくノスタルジックな気持ちになりながら教室を後にし自宅へ帰宅する
「おう、帰ったか」
叔父さんは呆れたように言った
「ずいぶん遅かったな」
「はい、すみません」
「別に謝る必要はねぇよ?ただこっちはお前を預かってる身だ、何かあったら姉さんに何言われるかわかんねぇからな」
叔父さんは不安そうに口にした、俺は今東京に住処を持っている叔父さんの家に住所を置いている。
訳あって都立の高校に通っている。
「カレーできるてるけど食うか?」
「ありがとうございます、いただきます」
リビングのテーブルに置かれたカレー、俺は椅子に座りそれを見る、叔父さんのカレーは絶品だ、口に広がる旨味のスパイス、喉を通るたびに食欲が増していく、俺は一瞬でそのカレーを平らげる、そして手を合わせ
「ご馳走様さまでした」
食べ終えた食器を台所に運び皿を洗う。そして風呂に入り、自室へ入る、散らかった文庫本を避けながらベットに、腰を掛ける。ふと思い出す、夢の中の
少女を、鮮明に記憶に刻まれている少女は具体的に思い浮かぶ
「私を探して」
少女が言った言葉が引っかかる、そしてそれと結びつくように小さい頃にたくさん遊んでた少女を思い出すだが鮮明には思い出せない
夏少女 池田青空 @Nanayosora
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