第2話 女神メディア
ヨウイチが目を覚ますと、目の前に海が広がっていた。
「あれ、何でこんなとこにいるの?」
現実世界で死んだヨウイチ。
まだ状況を理解できずにいた。
ピコン!
デジタル音とともに画面が浮き出した。
「ヨウイチ、初めまして。私はメディア。あんた現実世界で簡単に死んじゃったからこっちでボーナスタイムよ!」
は? と首を傾げるヨウイチ。
「ここは?」
「ここは異世界。そしてあんたがいるのは無人島」
「ちょっと待て。何で無人島なんだよ」
「え? それは、そのぅ……」
「ポンコツ?」
「はい?」
「ポンコツ女神?」
「ちゃうわ! 間違っただけよ、間違っただけ。弘法も筆の誤りってね」
「……」
メディアがごちゃごちゃ言っている間にヨウイチは周りを見渡した。
「確かに、何もない」
島を取り囲むように海。生い茂る木々。ヨウイチは不安に駆られた。
「安心しなさーい。ここは無人島だけど一応私が付いてる。分からないことは何でも私に聞きなさい」
「早速で悪いが、腹減った。ご飯くれ」
「こぉらっ! 自分でなんとかせーいっ!」
「女神なんだろ?」
「そうよ」
「じゃ、ご飯くれ」
「やるかっ! 自分で確保せい」
「どうしろっつーんだよ」
「あんたには基本スキルが備わっているわ。スキル表が見たければ心の中で「スキルオープン」と念じるといいわ」
ヨウイチは心の中で「スキルオープン」と念じると、スキル表が画面に表示された。
【ヨウイチ スキル一覧】
・釣り レベル1
・建築 レベル1
・採取 レベル1
・魔法 レベル1
・自動回復 レベル1
・睡眠 レベル1
・工作 レベル1
・コメディ レベル1
「ほうほう、釣りかぁ、いいな。建築もよさそうだ。コメディ…… なんだよこれ…… 使い道あんのか?」
「し、知らないわよ。たぶんおまけよ、おまけ」
「そんなおまけいらんがな……」
「スキルポイントは今のところは0。経験を積めばヨウイチのレベルが上がるから、その時にスキルポイントを獲得できるわよ。獲得したスキルポイントは自由に割り振ってOK」
「なるほどな」
「アイテムポーチの中身も確認しておきなさい」
「これも念じればいいの?」
「そうよ」
ヨウイチは念じる。
【ヨウイチ アイテム一覧】
・釣り竿
・魔法書
・ツルハシ
・コメディアンになるための本
「ちょっと待て。いらんのあるなぁ。捨てていい」
「駄目よ、ダメダメ」
「お前はお笑い芸人か」
「とっておけばいいことあるわよ」
「そうかぁ?」
ヨウイチは森へと足を踏み入れた。
「まあ、キノコでも食べよう」
ヨウイチは早速、美味しそうなキノコを採取。が
「これ焼きたいな。その方が絶対上手いに違いない」
「魔法、使えるわよ。あんた」
「火をおこせると?」
「そう」
「これも念じるの?」
「そう」
「何でもありだな、おい」
ヨウイチが念じると手のひらから炎が上がる。そのままではマジックポイントを消費してしまうから、適当な小枝を集め火を付ける。
キノコが焼ける。
ヨウイチは一口頬張ると……
「うんまぁっ! なにこれ、マジで上手い!」
「良かったわね。異世界も捨てたもんじゃないでしょ?」
「そうかもな」
ヨウイチは腹を満たすと寝床の作製に取り掛かった。
異世界無人島生活 ~スキル最弱だけど頑張ります!~ とろり。 @towanosakura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界無人島生活 ~スキル最弱だけど頑張ります!~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます