第12話 自分を刻み込みたい
俺の休日を待っていたように、妻にデパートとか服屋さんを何軒も連れ回された。
実物を見て下着を選べと無茶を言うので、一番高いヤツと答えておいたのだが、妻は「良いの。嬉しいわ」とご
ツルツルとした生地の服は、
決して、〈あっこ〉先生の水着に似ていると思ったからじゃないぞ。
少し丈が短いワンピースは、目が痛くなるほど鮮やかな青い色を俺は指さしていた。
「わぁ、すごく目立つ色ね。 私に着こなせるかな」
三着目の服はただ真っ白なものが良いと言ったと思う。
「シンプルだけど、花嫁さんが着ても良いような服を選んでくれたのね」
妻は俺が選んだ服を胸に抱いたまま、俺をじっと見詰めていた。
妻の唇は、かなり治っているようだ。
風呂に入った後、妻が買ったばかりの白い服を着て、俺の前に
「口でやらせてください。 こんなことをするのは〈あなた〉が初めてです。 もちろん、浮気相手にはしていません」
妻は胸元のボタンを全て外してから、俺のパジャマとパンツを降ろしていくけど、俺は少しも動けないでいた。
どう動けば良いのか、どう声をかければ良いのか、何も分からなかったんだ。
下着は付けていないため白い服からこぼれている、妻の胸をただ見ていたと思う。
我に返って妻の顔を見ると、すごく嬉しそうな表情に見えた。
何がそんなに嬉しいのか、一生懸命にしゃぶりついている。
顔が〈ひょっとこ〉みたいになっているから、少し笑ってしまうじゃないか。
そうしたら妻はもっと嬉しそうな顔になって、俺の手を胸に持っていくじゃないか。
柔らかな妻の胸の先は固くなっているから、そっと
そうしたら妻は嬉しそうな顔から、耐えているような顔に変わっていった。
耐えきれないのか、
俺も耐えきれなくなり、放ってしまう。
妻の喉がゴクゴクと動き、少し苦しそうな顔へとまた変わった。
「これでダメなら、もう後が無いと思っていました。 本当に良かった」
妻は白い服から胸を出したまま、涙を流し続けている。
俺が妻を抱き寄せ頭をなぜているのは、良く頑張ったと言う意味なんだろうか。
それじゃあまりにも
次の日の夜は、花柄の豪華な下着を俺が脱がして、今キスをしているところだ。
「〈あなた〉のキスはすごく甘いの。 世界中の誰よりも、私を熱くするわ」
行為の最中の妻はこんなに
俺に自信を取り戻させるためなんだろう、話半分以下に聞いても、やっぱり実際口に出して言われると少しは信じてしまう。
男はなんて単純な生き物なんだ。
特にオスでいる時は、コロッと
胸を揉んでいる時にも、妻は恥かしくなってしまうことを言ってくる。
「〈あなた〉に揉まれたら、すごく感じちゃうわ。 こんなに気持ちが良いのは初めてよ。 固くなっているところを、今触ったらいけないんだよ。 私、おかしくなっちゃうもの」
妻の下腹部には俺の名前のタトゥーが、かなりの大きさで彫ってあった。
名前の両端には、ハートマークまであるぞ。
「女性に
英語の筆記体はテレビで見たことがあるけど、日本語で俺の名前ではあんまりカッコ良く見えないぞ。
「はぁ、もう銭湯や温泉には入れないし、ビキニの水着も着れないじゃないか」
「そんな事はどうでも良いの。 〈あなた〉が納得してくれるのが最優先よ。 それに温泉には家族風呂もあるし、ビキニが見たいのなら、〈あなた〉の前だけで着てあげるわ」
俺は自分の名前のタトゥーを、指でなぞってみたけど、他の皮膚と感触は変わらない。
だけど妻に俺の名前が刻まれているんだ、とても奇妙な感じに思えてしまう。
妻は俺を一生離すつもりは無いのだと、強く感じてもしまう。
「んんう、〈あなた〉に愛の印を触られると、とても感じてしまうわ。 もう中も治っているから、一杯触って私をぐちゃぐちゃにしてよ。 私をもう一度〈あなた〉のものにして欲しいの」
妻は俺が触れれば触れるほど、甘い
俺にしがみついて足も絡ませて、爪で俺の背中をかきむしっていた。
タトゥーの代わりに、自分を刻み込みたいのだと思う。
うわぁ、痛いと思ったけど、妻の中は熱くて気持ちが良い。
うねうねと動き俺を締め付けて
行為が終わった後、妻は荒い息をつきながら俺の胸に顔を埋めてきた。
「うふふ、感じすぎちゃって頭が真っ白になったわ。 こうして〈あなた〉に抱かれるのは、本当に幸せよ」
「俺も気持ちが良かったよ。 真っ白な気持ちになれた気がする」
「うぅ、〈あなた〉、本当にありがとう。 私は
妻はしがみついて泣き続けるから、俺は妻のお尻をなで続けた。
それほど大きくはないけど、柔らかくて丸くて、俺の妻のお尻だからだ。
元から妻は性欲が少し強かったのか、好奇心が異常なのか、俺にちょっとアブノーマルな要求をしてくるようになってしまった。
夫婦生活はあの行為だけじゃなく、日々の生活が尊いとは思うのだけど、妻に可愛くおねだりをされると断れなくなってしまう。
もう浮気されるのは
もちろん俺に愛の言葉を
俺のそれについ応えてしまうのは、しょうがないだろう。
旅行に行けば家族風呂で俺を
それを「はい、チーズ」とカメラで撮っている俺は、痛々しいほど間抜けだと思う。
真夜中なのに公園へ散歩に行きたいと言うし、大人のおもちゃ屋さんに一緒に来てほしいとも言ってきた。
「うふふ、ゾクゾクしちゃうね」
俺はその前にすごく恥ずかしいぞ。
もう直ぐ浣腸の薬が必要と言われそうで、とても怖くなってくる。
「もう何種類か試したら、私を
― 完 ―
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読んで頂いて、誠にありがとうございました。
同じ浮気物の
「夜遅くに帰ってきた妻の下の毛が、そられていた」と
「騙されたフリをして結婚したんだ、不倫の慰謝料をたんまり盗ってやる」
もよろしくお願いします。
遅くからですが、「星」を入れて頂いた方、「フォロー」をして頂いた方、「応援」「コメント」をして頂いた方、大変ありがとうございます。
本当に嬉しいです。心が躍ります。
お手数とは思いますが、「星」や「レビュー」を頂ければ、大変有難いです。
作者を応援しようと思われる方はよろしくお願いします。
妻がアプリで浮気をしたから、離婚を望んでいるのに、おかしなことになってしまった 品画十帆 @6347
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