心が悲鳴を上げる時、男は本能的に北を目指すのかもしれない

傷ついた心を癒すため、或いは忘れるため
男は一人、北の大地を目指した

傷心のひとり旅
それだけならよくある話

しかし、彼はまだ結論を出せていない
宙ぶらりんな気持ちを抱えたまま

北の大地は彼に何を思い出させてくれたのか
失恋傷心旅行とはひと味もふた味も違う
そんな彼の目に映る北の景色は
不思議な色を帯びて読者を仄かに揺さぶります

気づいてみれば幸せだった
そんな幸せに気づかない男の物語かもしれない