パロディ・『蛙を踏む』

夢美瑠瑠

第1話



 梅雨を、「うっとうしいね」「じとじとするね」とか、みんな嫌がるけど、あたしは嫌いじゃないです。

 しとしとと、篠付く?そぼふる?雨降りの風情は、落ち着くし、懐かしいような気分も醸し出されて、素敵と思う。


 紫陽花も、蝸牛も、なんか可愛らしくて、寂しくて、素敵。


 ただ、ひとつ、怖くて嫌なものがあります。


 アスファルトの道を、たくさんピョコピョコ跳ねている、梅雨時の道化者?あの可愛い、おしゃまな蛙さんたちが、無情に、無様に、車のタイヤに、グシャと踏みつぶされて、ぺっしゃんこになっている…


 あれほど嫌なものはありません。

 「車輪の下」ていうヘッセの小説があって、あれも嫌な話だけど、文字通りに身もふたもないような、いったいそれってどういう不条理?って全然カフカの小説みたいに意味なく踏みつけにされて…で、ずっとそのまま放置。プレイならいいけどw、ひっくり”かえる”、いき”かえる”こと”かわず”、もとい、かなわず、なんて救いがなさすぎます。


 だから、いったいこういう繰り返す悲劇をどうしたらいいんだろうって、あたしもない頭をしぼって考えてるんだけど、今のところお手上げです。


 あたしはカクヨム作家もしてるので、死んだ蛙たちが、天国の、蛙の楽園みたいなところで幸せに暮らしているっていう童話かなんか書いて?供養してあげたい気分です。


ああ、あたしって素敵w


<了>

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パロディ・『蛙を踏む』 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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