5
分からなかった。読みにくい字も、長ったらしい文も、結局あなたが誰だったのかも。
手紙が濡れないように上を見る。だけど涙はどんどん溢れてきていた。袖で殴っても殴っても大粒の涙が止まることはなかった。
私とあなたのいる世界は違う。そう、きっと全く違うものなのだ。7日前に起きた地震も、アイスの新作の話だって少し噛み合ってなかった。わざわざ彼女は調べてくれていたのか。
結局、彼女は私に正解をくれなかった。将来どうすればいいか、具体的なアドバイスは何一つない。ただあなたの思いを受け止める。涙も忘れることはない。
そう思い、手紙を机の中にしまって、私は重ねて端に置いていた大学のパンフレットを徐に開いたのだった。
置き手紙 @746500
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます