第40話 忘れてました…。
「いってきま~す!」
「いってらっしゃい」
「ごめんね~。今日も仕事遅くなっちゃうからご飯先に食べてちょうだい」
「分かったよ。仕事頑張って」
「和樹が応援してくれるから母さんのテンションは爆上がりよ~!」
…爆上がりなんだ。母さんはこれから仕事とは思えないくらいルンルンしながら出かけて行った。
それからしばらくして俺も学校に行く時間になったので家を出て歩いていると後ろから声をかけられた。
「おはよう!和樹!」
「おー、おはよう正人」
爽やかイケメンこと桜田正人だ。
「朝からイケメンオーラ振り撒いてるのか」
「イケメンオーラって何なんだい?」
「さぁ?俺もよく分からね~わ」
「言ったの和樹だよね!?」
そんな感じで全く中身のない話をしていると前方にいた女の子二人がこちらに向かって手を振っている。
「和樹~!おはよ~♪」
「おう、おはよう」
「おはよう」
「おう、委員長もおはよう」
「和樹、今度のデートなんだけどね…」
「僕もいるんだけど!?ナチュラル無視はやめて!つらいから!!」
「「おはよう」」
「挨拶から全く感情が読み取れないんだけれども!?」
「ごちゃごちゃうるさいとモテないよ!
ね~!和樹?」
「俺を巻き込むなって…」
ちなみに俺達がこんな会話をしている間も、ずっと周りからの視線を感じる。
…まぁ、俺含めてみんな有名だからな。俺は悪い意味でだが。
「そういえばさー、みんなはもうグループ出来てるの?」
「グループ?何のだ?」
「もう和樹ったら忘れたフリ?一泊二日で行う校外学習のグループに決まってるじゃん」
…え?一泊二日で行う校外学習って何!?
そんなイベントあるのかよ!
「わ、忘れるわけねぇじゃん。ハハ…」
「あなた、完全に忘れてたわね」
桜がジーっとこちらを見てくる。
「…はい、完全に忘れてました…。」
「で、結局みんなグループ決まってるの?」
「僕は一応声をかけてもらってるよ」
…さすがは爽やかイケメン。しっかり誘われてやがるよ。
「桜は?」
「私も声をかけてもらってるわ」
…さすが委員長だな。
「咲さんは?」
「私も声かけてもらってるよ~!」
…さすがコミュ力最強ギャルだな。
「和樹は?」
「あ~…まだ決まってはいないな…。グループって何人で作るんだ?」
「んーとね、確か四人からだったかなぁ…。」
「四人からだったと思うわ。」
…まいったな。俺は誰からも声をかけられてないので今の所一人が確定している。
まぁ校外学習で一人という事はまずないだろうから、どこかのグループに入れてもらう形になるだろう。
しかし上手く一緒にやれる確率は極めて低い。なぜかって?…森本和樹がみんなから怖がられてるからだよ!どうしたものかと悩んでいるとチャイムが鳴り、教師がクラスに入ってきたので、とりあえず切り替えて教師の話を聞いていったのだった。
恋愛ゲームのキャラに転生した!?主人公かと思ったらモブの不良キャラかよ~! モッピー @moppi0102
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