攻撃力10000マンの異世界LvUP旅

新山田

第1話 攻撃力10000マンの出生の秘密



僕の名前はサウザンド。とある村に住む無性に強さに憧れるどこにでもいる青年だ。


僕は遂に目的を達成した、それは・・・攻撃力10000を達成したのだ。


みんな疑問が沸くだろう・・・どうしてそんな数値まで上げることができたのかと。


当然だ。


理由は簡単、説明しよう!


この目の前にあるとてつもなく苦い木の実を食べたからだ。


本来なら煎じて飲む。そうすることで短時間攻撃力をアップすることができるのだ。


その効果を見て僕は考えた。


「そのまま食べればずっと攻撃力があがったままなんじゃないか」ってね!


そして案の定攻撃力は上がったままだった。


だから僕は、来る日も、来る日も、来る日も食べ続けた。


雨が降ろうが、雪が降ろうが、さわやかな風が流れる時でも僕は食べ続けた。


もちろん味は最悪だ。だが食べたそのせいでお腹は常に緩く体調も常に悪い。だが食べた。


攻撃力が上がる度に数値を上げるために必要な個数は増えていったが食べた。


いつしか味覚はおかしくなったが食べた。


そして遂に達成したのだ、攻撃力10000に!!


だがそれゆえ気付いたのだ・・・・攻撃力だけでは最強ではないと!


だからつい先日はじめて村を出た。理由は武者修行だ!


「かえって来る頃には攻撃力10000マンじゃない!オールステータス10000マンだ!!」


そう宣言して家を出て村をでた。


村の人たちも両親も「あっそうか~」と反応が薄すぎた!だが気にしない。なぜなら僕は攻撃力10000男なのだから!


──────────────────────


さて武者修行と言っても何をすればいいのだろうか。


定番は街に出て”冒険者”になる事だ!でも街は遠い。その間はどうすれば・・・。


「きゃー助けてー」


と助けを呼ぶ声が聞こえる。すぐに向かおう!


「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・どうじまじだ!」

「あなたこそすごい汗!どうしました!」


攻撃力10000マンは、攻撃力以外を上げてこなかったので体力は全然ないぞ!


「ぜんぜん気にしないでください!それにしても助けを呼ぶ声がきこえたのですが!」

「あっそうです!助けてください!街へ向かう途中で狼に遭遇してしまった!走って逃げて来たんです!」

「なんですってそれは大変すぐに向かいましょう!」


舗装された道で倒れる馬車が一つ。そして馬が一匹に、倒れた男の人が一人。それを取り囲む狼が無数。


「アナタはココで隠れていてください!」

「はい!お父さんをお願いします!」


狼に向かって走る。


「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ」


スタミナはもう切れた!だが僕には攻撃力10000あるから大丈夫。


「おっ・・お・・かみども僕が相手だ!」


狼たちはターゲットを僕に変えて襲ってきた。


「キミ大丈夫なのか!?」


さっきの子のお父さんが声を掛けてきた。


「全然!大丈夫じゃないです!なんせ僕の防御力は服込みで”2”です!でも安心してください!」

「いやっ!安心できないよ!?はやく逃げなさい!」

「いや逃げません!ここで逃げたら・・・攻撃力を10000に上げた意味がない!」


拳を握り力を込める。


「うおぉぉぉぉお!」


防御力は無い。素早さも無い。魔法攻撃力も無い、魔法防御力も無い。だけど攻撃力が10000あればやりようはある!


それは攻撃される前に攻撃してしまえばいいのだ!


「へい!」


振った拳はかろうじて狼に掠った。


「ああやっぱりだめだ!」


お父さんの声が響く。


だが次の瞬間、頬を掠めた狼は張る彼方の森深くまで飛んでいった。


「ガウ!?」

「フフ!今さら気づいても遅い!これが攻撃力10000の力だ!」


また力を込める。敵は複数いっぺんに襲ってきた。


「どんなへなちょこパンチでもいっぺんに襲われようと・・・地面ごと殴れば一石二鳥なのさぁぁああ!」


大きく抉れた土は狼どころか丘の一肌を削り宙に舞い彼方に飛んでいった。


「ふっ決まった!」

「おおすごい!なんとお礼を言ったらいいか!」

「本当に!すごいわあなたお名前は?」


男は振り返り答えた。


「僕の名はサウザンド。人呼んで攻撃力10000マンさ!」


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