悪役令嬢、メンヘラヒロイン転生する
雨飴
第1話 メンヘラヒロイン転生
ああ、愛されたかったな。
...それが私の最後の言葉だった。
目覚めると、そこは牢屋でも断頭台でもなく、色々と変な機械がおいてある部屋だった。
...ここどこだ?
そんな私の疑問に答える様に、誰かが言った。
「ここお?ここね、乙女ゲームの世界!で、貴方はメインヒロインに転生しました!」
「おとめげーむ?めいんひろいん?てんせい?」
何それ。
「簡単に言うとお、貴方はある男子に好いてもらうためにがんばるってこと!貴方は一回死んだんだよね。んで、貴方がいた世界と違う所に来たってこと」
違う世界...?ある男子...?
「ある男子って誰の事ですの?」
「んーとねえ、まあ見れば分かるっしょ!じゃあまたね!頑張れ~」
「ちょっと待って下さい!貴方は誰?」
「女神~また困ったら呼んでよ」
「え、ちょ、ま」
じりりりりと何かがなる。
「私」の記憶では、めざましどけいといって、時間を知らせてくれるものらしい。
私はカーテンを開き、階段をおりて下に行った。
使用人がいない。
どうやって生きて来たんだろう。
「私」はりびんぐというスペースに行くと、机にあった置手紙を確認し、でんしれんじという温めるための機械で置いてある朝食を温めた。それをでんしれんじから出すと、今度は牛乳をれいぞうこからだし、グラスに注いだ。はしを出せば、完成。
「いただきます」
私は食べ始める。意外にも美味しくて、何故か寂しかった。
学校は歩いて5分。近い。
誰かがやってくる。
「私」の胸がときめく。
「おはよう!」
彼は言う。朝宮というらしい。
「おはようございます」
「なんで敬語?」
「...初対面では?」
「なにそれジョークwwたまに面白い事いうなお前は」
「くふふ」
何故だか「私」と私のつぼがはまって、笑ってしまった。
ああ、笑ったのはいつぶりだろう。
悪役令嬢、メンヘラヒロイン転生する 雨飴 @natsutenkiame
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