第8.5話 天界を追放された堕天使姉妹の復讐 (おまけ)

私はシアン。天使として人間さんを導く存在です。

不甲斐なくて失敗ばかりの私はいつもリアンお姉ちゃんに助けられていました。

「失敗しても立ち上がれるのって実はものすごく難しい事なんだよ?」

「シアンちゃんぎゅ〜…ほら、お姉ちゃんがいつまでもこうしててあげるから泣き止んで…」

「すご〜い!それつい最近までできなかったはずだよね?もう覚えたの!?…シアンちゃんは天才だよ〜!」

私はお姉ちゃんの優しい言葉とアドバイスによってなんとか一人前の天使になれたと思っています。

だから私も他の誰かに優しくしてあげたいと思っていました。

でも優しさには悪い所もある。

それは悪人に制裁さえ与えず身勝手に許す事。

見逃された悪人は更なる被害者を増やし続けてしまうのだ。

女神ルメハーンはそんな優しさを凶器に変える偽善者の一人であった…

「帰して…お家に帰りたいの…」

「お姉ちゃん…これって…」

「酷い…この子はね…多分攫われたんだよ」

「!?」

「無理矢理攫っただけなのにあらゆる権利を奪われて理不尽に売り物として異常者に買われるんだよ…夢物語だと思いたかったのに…」

「そんな、酷い!ねぇ私達で助けようよ!」

「そうだよね、シアンちゃんなら言うと思ったよ。でも…無理だよ」

「えっ!?」

「ルメハーン様に借りた【ラプラス】が言ってるだけだよ。でも諦めたくないよね?」

「うん…確率が変わらない保証も無いんだしこれから頑張るね!」

「その言葉が聞きたかったな!不可能ぐらいで諦めないのが…シアンちゃんのすごい所だよ!」

「看過できませんね」

「「!?」」

「ルメハーン様…」

「彼女ら奴隷は必要な存在なのです…貴方が異常者と宣ったチート所持者にとって…集まりなさい。この「敵」に説明してやりなさい貴方達の正しさを」

「なんだなんだ…」

「なんだあの美しい女性は!?聖女か何かか!?」

「知らないのか?ルメハーン様だよ。俺達にチートスキルを与えてくれた張本人だ」

「この2人の天使は奴隷市場を否定し奴隷達を解放しようとしました。見て見ぬふりしていいと思いますか?」

「は!?この奴隷市場を!?それはダメだろ!」

「おれは暗い性格が理由で追放された。だから奴隷が…奴隷しか信用できない…おれは奴隷を買い漁って幸せな奴隷ハーレムを作る!阻む奴は誰であろうと許さないぞ!」

「現代じゃ子供に手を出すだけで犯罪だが奴隷は違う!ヤリ放題のボーナスステージなんだよ!ガキ如きが舐めた口叩くんじゃねぇよ!」

「ここにいる皆さんは陰気な性格や独特な好みを他者に知られたと言う些細な理由で糾弾されてきた哀れな人間でした。ですがそんな不憫な人間に対して私達は神核を施した上で各々のやり方で導く事で幸福になれるよう導いて来ました。奴隷市場はその一環として必要なのです」

「「……!?」」

私もお姉ちゃんも戦慄しているが構わずルメハーンは言葉を続ける。

「他者に優しくあれと…そう説いてきたはずです。にも拘らずようやく幸福を掴み始めた人間を晒し上げ糾弾する…チート所持者の中にはそういった誹謗中傷が理由で命を絶ったものもいるのですよ…それを貴方達ときたら…!」

「そうだ!彼女の言う通りだ!女子高生が好きで何が悪い!恋愛ってのは自由なはずだ!なのに言い掛かりを着けられ…僕は獄中で命を…ルメハーン様はそんな可哀想な僕にチートスキルを与えて転生させてくれたんだ!なんで平気で否定できるんだこのガキ共は!?」

「そうそう。言い忘れていましたが…チート所持者に異世界の治安保持を任せている現在が1番犠牲が少なく済むのですよ。奴隷になる人間より救われる命の数の方が圧倒的に多い。それでも否定するのですか?」

「「それでもだよ!」」

「「私達に苦しんでる人を放って置く事なんてできないよ!」」

「許せますか?貴方達」

「女なら何言ってもいいと思ってんの?」

「百回殺しても足んねぇくらいだぜ…」

「僕舐められるの嫌いなんだよね〜、その言い草なんなの?」

「そう言う事です。今から貴方達を殺します。ここには百人ものチート所持者がいます。そして私は二百個の神核を持っています。」

「私だって持ってるよ!もしかしたら…」

「はぁ…リアン。貴方一応成績は優秀なはずでしたよね?この差が分かりませんか?勝てないんですよ!100%!【ラプラス】私の命です。誰が所持者だろうと逆らえませんよね?。勝率を教えなさい!」

【はい。ルメハーン様は100%勝ち、リアン達は確実に負けます。この場にいるチート所持者は

一切傷つく事なく彼女らを蹂躙できるでしょう】

ルメハーンにはあらゆる神核を所持者に関係無く使用する力が備わっており故に無敵であった。

この瞬間までは…

「お姉ちゃん…アレやるよ」

「うん、任せて!」

「「【FallenCodeDoubleMebiusEX45】」」

チート所持者達にマグマを纏った隕石が一瞬にして降り注いだ。

「あひぇええええ」

「びゅおっ!」

「ぎゃあああああああああ!!!」

「はっ?」

「なーんだ、神核って大した事ないんだね【ラプラス】もデタラメだったし」

「バカな!?あり得ません…無敵のチートスキルですよ!?火力だけではなく防御力だって右に出るものはいないはずなのに…全員死んだ!?」

「ねぇ…話聞いてくれる?」

「殺して脅して従わさせれば満足ですか?」

「奴隷を買うような悪い人がいなくなっただけだよ。その方がいいはずだよ?」

「彼らが…どれだけの命を救う力を持っていると思っているのですが!?それに何か罪を犯したわけじゃ…」

「確か隠居したウカナーロとヨムカコーの代わりに神核の生成と譲渡を行ってるんだよね?殺しちゃおっか?」

「そんな…そんな事許すとお思いですか!?」

「許すとか許さないとかどうでもいいよね?どうせ加担者は皆殺しにするし」

「ねー?」

「【ジャッジメント】貴方達を追放しました…そのせいで堕天して羽が黒く染まったはずです。ぜぇ…ぜぇっ…これで貴方達は天界には帰れません…ここにいるチート所持者を殺そうが私達の味方がどれだけいるとお思いですか…貴方達の悪事を知らせ一斉に殺すように頼みます…絶対に許しませんいつか必ず殺しますからね…?【ホームバック】」

「「【FallenCodeDoubleMebiusEX180】」」

ルメハーンは転移で天界へと逃げ去った。

「あいつきっと気づいてないよ」

「でもこれで殲滅できてもウカナーロとかいうのが出てくるんじゃないかな?なんとかそいつも殺しときたいなぁ」

「んっ?…ここに奴隷市場があると聞いたがとっくに壊滅しているな…一体誰が…」

「ねぇ君?もしかして…奴隷を解放しようとしてるの?私達もなんだ!仲間に入れてよ!」

奴隷国家アルヴィニアに2人の堕天使が増えたのだった。


「よく集まってくれましたね。天界の神全てに招集をかけましたが半数以上集まるとは思いませんでした」

「とんでもありません!ルメハーン様のお言葉ですから!」

「所で緊急との事でしたが用件は何でしょうか?」

「リアンとシアンが奴隷を守る為に天界を裏切りチート所持者を虐殺しました。天使制裁用神核で彼女らを堕天させ天界を追放しましたが、そんなもの焼け石に水。絶対に始末しなければなりません!そのためには私達の力を結集し大人数で襲撃するのがよろしいかと思い至りまして」

「なんて事を…そんな外道が天使風情に存在していたとは…」

「クソっ!あいつら…人の命を何だと思っているんだ!俺は協力するぞ!絶叫に死ななくちゃいけねぇ存在だからな…」

「ありがとう御座います。それともう一つ伝えたい事が…」

「【やっほー!聞こえてるかな?】【何か企んでるみたいだけど…もう遅いから】」

「なんだ!?どこから聞こえてくるんだ!?」

「この声は…リアンのシアンの裏切り者共!?あり得ない…追放されたのに帰ってこれたのか!?」

「【違うよ〜声だけ届けてるんだよ〜】【お姉ちゃん、これから殺すのにわざわざ説明する必要ある?】【あはは、わたしがお喋り好きなだけかなー?】」

「はぁ!?殺すだと!?身体能力も戦闘力も足元にも及ばない貴様らがか?許せん!今すぐにでも血祭りに」

「があああああああああああああ苦しいいいいいいいいい!!!」

「ルメハーン様!?その姿は一体…」

急にルメハーンの体が膨らみ始めていた。

「なんですこれは!?これも貴方の差し金なのですか!?」

「【私達は貴方が逃げる前にその体を爆弾へと変質させたんだよ?】

【だって仲間を集めて殺すなんて言われたらね〜?まとめて殺した方が良いって思うよそりゃあ】」

「ばっ爆弾!?」

「この愚か者がああああああ、貴方達っ今すぐ治療の神核を持ってきなさい!全部よこしなさい!私は生きるべきなのです!」

「【ちなみに解除したらまた掛け直すだけだよ?】【奇跡が起きればの話しだけどね。クズには不可能じゃないかな?】」

「【キュアー】!」「【ブレイクスペル】!」

「【ゴッドハンド】!」「【エリクシール】!なんでっ!?どれも効かないっ!?」

どれも効果がなかった

「この役立たず共があああああ!早くっ!早く治しなさい!私が死にそうなのですよ!私程素晴らしい神が!この世に存在するとでもお思いなのですか!?助けっ助けでだずげでええええええええええ!!!!!!」

【バイバーイ!】【奴隷の子達は全員無事だったよ

!】」

「ばぬぬわたらたさまはまぎゅぴぃ!!!!!」

「ババアのせいで死ぬなんていだぼおまぁ!!」

「この戦犯ぎゃあああああああああああ!!!」

その爆風は天界全体を覆いそこにいる奴隷売買の加担者全員を消し炭にした上に全員地獄に幽閉させた。


場所は代わり…アルヴィニア王国

リアン達からの報告を聞いたノアは戦慄した。

「何!?ルメハーンが死んだのか!?この俺でも勝てるか怪しいぞ!?」

「この神核から確認できるよ?見る?」

「本当なのか…貴様らは強すぎるな…一体どこにそんな力が…」

「ちょっとコツがあるんだよ!」

「神核とか関係ないけど頑張らないと使えないんだよね?やってみる?」

「聞くだけ聞いておこう、ルメハーンが黒幕ではないと言っていたな?なら強くなる必要があるからな」

その後ノア、ゾート、ディーヤが特訓によって習得した【DimensionCodeEX9999999999999999】はウカナーロとヨムカコーに転生しようが永遠に止まない地獄を超越した苦しみを与え続けるのだった。

その後次元超越者となった仲間達によって奴隷となる人間を一切出さずに全ての加担者を皆殺しにするのであった。

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ノンストップ蹂躙劇 神壊しのノア〜奴隷解放の為にチート所持者を拷問してチートスキルを取り出します〜 yu @yuyu1341

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