究極が紡ぐ世界
@super_fruity
第1話 世界の始まり、旅の始まり。
―遥か昔、何事もなく機能していた世界に突然、究極者と呼ばれる者が4名現れた。
彼らはそれぞれ『力の究極者・デュナミス』『軸の究極者・アクシス』『波の究極者・キューマ』『粒の究極者・パーティクル』という。
ここでは詳細を省くが、各々が宇宙の全てを変化させる程の技能を持ち。それを行使し、俗に言う“カオス”となった。
そのような状況の中、また1人究極者が現れた。『理の究極者・コスモス』である。彼女は世界の理を定め、また宇宙が機能するように秩序を保った。
しかし、新たに究極者が現れることを考慮した彼女は、他4名を協力させ、究極者を確実に迎え入れ監視するための星『アダマステル』を作り上げた。
アダマステルは生命が活動するのに適し、究極者が現れるよりも先に生命が誕生し発展したとされる。これが、この星......この世界の始まりである。
著者 : ミュトス ―
「書物庫の隅にこんな伝承が載った本が隠されていたなんて!これは本当なのか?今は究極者が現れているのか?すごく気になる………。そうだ!あそこにいるじいさんなら何か知っているかもしれない。聞きに行ってみるか。」
伝承を読んだ青年タケルは、村の最年長者であり占い師のセイに話を聞きに、書物庫を飛び出してセイの住む古い屋敷に向かった。
「じいさん、元気か?ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「おぉ、タケルではないか。いきなりどうしたんじゃ。それにしても、ここでの生活にはすっかり慣れたようじゃな。」
タケルは小さい頃、村の外で拾われた子であった。
「あぁ、おかげさまでな。いつも村のみんなに良くして貰って、すごく楽しいぞ。なぁ、それより『究極者』って知らないか......」
「………!? タケル、それをどこで知ったんじゃ?」
「あ、あぁ、やっぱり知ってるのか!書物庫の隅っこに隠れてた本に伝承が書かれていたんだ。
その、、究極者って本当に居るのか?」
「ほっほっほっ、そうかそれを見たか。....ああ、居るとも。特にな、ここ〈トキョウ村〉から一番離れた土地、〈ロマン〉には幾人かの究極者が現れたのじゃよ」
「そうか、そんなこともわかるのか!
ロマンか...遠いな.........でも、俺、会いに行きたい。自分のこと、何かわかるかもしれないし。」
タケルは拾われる以前の記憶がなかった。
「ふむ。わかった。危ないからくれぐれも気をつけるのじゃぞ。それと、村のみんなに挨拶をしていくんじゃ。その際はわしの占いが吉と出ていることを伝えるとよい。」
「占ってくれたのか!吉か!良かった......
うん、わかったよ。みんなに挨拶してくる。」
(そうか、わしが伝える前に自分で見つけおったか)
タケルは村の人達に挨拶をしに行った。村の人は少し心配したが、タケルの旅立ちを快く受け入れた。
「ありがとう。みんな、お世話になりました!」
これが、タケルの旅の始まりである。
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