ハイチ系アメリカ人との短い付き合い
これは僕がまだタイでインターンをしていた時の話。
僕がもうすぐで帰国するという時期に対外向けのイベントを開き、僕はそのお手伝いをしていた。
こじんまりとした会場で、十数人程度の参加者を相手に企業紹介をしていた。
僕はファシリテーションのサポートで、アンケートのお願いや参加者名簿の作成などを担当していた。
参加者の中に1人、アメリカからの出張者がいた。
ハイチ系のため肌は濃い茶色で髪はパーマがかかった、某テニスプレイヤーを彷彿とさせる女性。
後で聞いたところ、この女性は白人とのハーフらしかった。
背は僕より少し高い程度で、細く鋭い目と真っ赤に塗られた紅い唇が美しかった。
黒いスーツを着て、ビシッと決まったカッコいい女性だった。
少しハスキーな声ではっきりとした口調で話す人だった。
イベントが終わると彼女はなぜか僕に挨拶に来て、会社のことを聞かれたと思えば、気づけば僕が日本から来てる大学生でもうすぐ帰国することまで話していた。
「あら?日本に帰るのね!私の次の出張は多分日本よ!」
「あ、そうなんですね!どこに行くんですか?」
「大阪と東京よ。まだ決まってないけど、1週間ちょっと行く予定。あなたはどこ出身?」
「あ、そうなんですね。僕東京です!」
「あら!じゃあ連絡先教えてもらえる?よかったら東京で会いましょう!」
「あ、はい、ぜひ!」
こんな感じのやりとりを会場を閉める直前にしていた。
僕と同僚は参加者がさった後片付けをして荷物を持って会議室を出た。
すると、先ほど話したハイチ系のアメリカ人女性が立っていた。
「あれ?どうしたんですか?」
「あなた私のホテルと同じ方向でしたよね?よかったら一緒に帰ってもいいかしら?まだあなたに聞きたいことあるの」
「僕この後同僚とご飯行くんですよ…。なので一緒に行けないのですが…。あ、よかったらご飯行きます?」
僕は同僚を見ながらハイチ系アメリカ人女性に聞いた。
同僚も笑顔で「おいでー!」と言ってくれたので彼女も同席することになった。
3人でご飯を食べて仲良くなった。
僕は人見知りをする分、お喋りな人との相性がいいのだ。
彼女は小中学生の時に日本に住んでいたことがあるらしく、日本語が少しできた他、日本の文化に詳しかった。
久しぶりの日本行きでワクワクしているといった話を聞いた。
同時に、彼女は34歳とだいぶ年上なことを聞かされた。
僕は素直に話しやすい人だなと思いながら、日本に来ることが決まったら教えてくださいと言って解散した。
意外にも、それ以降時々彼女からメッセージが届いたので僕は友達感覚で返していた。
タイ人の同僚も年上ばかりなのだが友達感覚で連絡のやりとりをしていたため、年齢差による会話のハードルは少し下がっていた。
僕が日本に戻って、タイ人にフラれた心の傷を癒すため女性とデートをしたいと思っていた頃、彼女から日本行きが確定したとの連絡が来た。
僕は喜んだ。
外国人の友達のような人が仕事とはいえ日本に来るのだから時間があれば色々なところへ案内したかったのだ。
続けて彼女からはメッセージが届いた。
「日本では付き合う前に好きだということを伝えるんだよね?それは女からでも言うものなんだよね?」
「そうだね。男も女も付き合う前に告白するよ」
「じゃあ、驚かないでほしいんだけど、僕くんを一目見た時からキュートだと思ってたの。私が日本に着いたらデートしてほしい。」
僕は驚いて急に緊張しはじめた。
どうしよう…とドキドキしながら考えた。
僕は外国人に興味があったとはいえ、あまり彼女に興味がなかった。
ヒスパニック系やカリブの人たちは僕が付き合ってみたいとは思っていたが…。
でも、なんというか彼女は僕のタイプの女性ではなかった。
とはいえ、僕はタイでフラれたことで学んだのだ。
特別好きな人でなくても付き合ってみて変わるかもしれない。逆に好きで付き合ってもすぐに違うと思って別れることもある。
それまでの僕は、何をするにも付き合ってからだというわりと保守的な姿勢でいた。
もっとも、初体験も2回目も、なんならタイ人元カノも、みんな付き合う前にキスをしているのだが…。
欲望に負けつつも、それでもまだ、好きな人とデートをしてキスをするという手順を踏むことに憧れや理想のようなものがあったのだと思う。
その考えが薄れたのだから、フラれた経験が僕を少し変えたのだった。
なので、興味はなかったものの、付き合うことにした。
彼女は予想だにしていなかったようで、大騒ぎをしていた。
何通も驚きと信じられないといったメッセージが入って、同時に嬉しいという内容もたくさん届いた。
それが僕は少し嬉しかった。
思えばタイ人元カノは付き合っても何か思い詰めた顔をしていた。
向こうから誘ってきた女性達はベッドインしてから急に不機嫌になっていた。
これほど喜んでくれたことで、僕は過去に抱いたモヤモヤが少し晴れた気がした。
彼女が日本に到着したのは最初の土地は大阪だった。
数日大阪で過ごし東京に来るとのことだった。
僕らは直接会うまで互いの写真やその日撮った写真をよく共有しあっていた。
これだけでもう、立派な恋人関係にあると思った。
こうして遠距離でも関係性を築きつつ、約束の夜にようやく僕らは再開した。
相手はにこやかではきはきと喋っていた。
僕はなんだか恥ずかしかった。
まだ好きでもないのに付き合っていいのか、既に立派な恋人関係ではないか。
でもそれが果たして正しいのか、良いことなのか、分からず、悩んでいた。
再会したその日、僕らは焼肉を食べに行った。
ガーリックソースが気に入ったようで、ひたすらガーリックソースをつけて肉を食べていた。
「臭いとか気にならない?」
「あー、それ言う人いるけど意外と気にならないもんだよ。なんならキスしてみる?」
突然のキスの誘いに僕は恥ずかしくなった。
彼女はニヤリと笑うと、僕の照れてる顔を見てすぐに大きく笑った。
「大丈夫だから、はい」と言って彼女は座席を僕の横に移動して顔を近づけた。
僕は照れながら、キスをした。
唇が一瞬くっつくだけのシンプルなものだった。
それでも僕はなんだか恥ずかしくなって笑った。
すると彼女も笑った。
今度は彼女からキスをしてきた。
彼女は僕の口の中に舌を入れてきて、ねっとりと絡んだ長めのキスを選んだ。
「どう?臭った?」
「いえ…」
「でしょ!だからもっと食べよ!」
ガツガツとした肉食女子に僕はどうもモテるようだとこの時ようやく認識した。
食べ終えて店の外に出ると彼女は聞いてきた。
「キスしてほしい。さっきみたいなお子さまキスじゃなくて大人のキス」
僕は人通りのある場所でのキスにはこの時まだ抵抗があった。
恥ずかしくて顔が真っ赤になったと思う。
「大丈夫だから」
笑顔でそう言われて、僕は勇気を出して彼女の唇と僕の唇を重ねた。
そのまま目を閉じながら、ドキドキしながら舌をゆっくりと彼女の唇にくっつけた。
そうすると、彼女は口を開けて、舌を絡めてくれた。
しばらく立ったまま舌を絡めた。
途中、何度か男性の声がする。
1人の男が僕らをからかっていたのだ。
それでも、僕らのキスは続いた。
僕のあそこが硬くなって、太ももにまでぐぐぐっと伸びていくのを感じた。
少し間を置いて彼女が僕の股間周りを探り、硬くなった棒を確認した。
あそこがくすぐったい…。
顔が真っ赤になったのを感じながら、足が震えはじめた。
それに気がついたのか、彼女は唇を離して笑った。
「はははは…!そんな緊張しないでよ!私が襲ってるみたいじゃん!」
彼女は真っ直ぐ僕の目を見て言った。
「どうする?このあと…」
「どうするって…?」
「決まってるでしょ。セックス。それくらいわかるでしょ。」
「ああ…。そうだよね、うん。わかってるよ…。」
悩む僕を見て彼女はじれったいと思ったのだろう。
「一応、言っておくけどホテルは2人分にしてあるから」
「え、それって…」
「決まってるでしょ?」
「はい…。行きます。一緒にホテルに行きます。」
僕は肝を据えた。
タクシーをつかまえて、彼女の泊まっているホテルに僕らは2人で一緒に移動した。
その間、僕の胸はドキドキし続けていたし、あそこの硬さも一向に柔らかくなる気配がなかった。
ホテルに着くと、あそこが目立たないように、ズボンのポケットに手を突っ込んで、あれを上に向けたりしながら移動した。
そんなことは無意味で彼女には既にバレていることは承知の上で。
部屋に入ると、今度は彼女がリードしてくれた。
よくできました、とでも言うかのように、丁寧にキスをしてくれて、ゆっくりと僕の服を脱がしてくれた。
最初はシャツからだった。
ゆっくりと手が下に伸び、今度は僕のベルトに手をかけた。
そして、じじじ…とゆっくりとズボンのファスナーを開けてくれた。
その時、既に僕の硬直したあそこに彼女の手がしっかりと当たっていた。
それだけで、イキそうだった。
ズボンを脱がされ、あそこが既に見えると、そのままパンツも脱がされた。
すると彼女は大声で笑った。
「大きい!大きいよ、これは!大きいんだなと思ったけども…!」
雰囲気が少し台無しになったところで彼女はハッとしたように、笑うのをやめた。
そのまま彼女は僕のあそこを唾液たっぷりの彼女の口の中に入れて、頬張った。
ぞくそく…
僕は久しぶりのフェラに興奮した。
一度彼女の口の中に発射すると、口をすすぎに走った。
「暑くなってきた…」
そう言って彼女は素っ裸でトイレから出てきた。
僕はそのままベッドに押し倒された。
僕は両手で彼女の小ぶりな胸を揉むので精一杯。
しかし、彼女はそんなことはお構い無しでディープキスをされたかと思うと、今度はあそこを握られた。
彼女の動きはとても早かったように感じる。
気がつけば、彼女は騎乗位で僕のあそこを挿入していた。
何もすることができないまま、僕はそのまま果てたのだった。
僕らは一通り終えると、シャワーを浴びながら会話をした。
「どうだった?」
「よかったよ…」
「そう、それならよかった。初めて?初めてでしょ?」
「いや、初めてではないけど、あまり経験はないかな…」
「え、絶対に初めてだったでしょ!まあ、いいけどさ…。」
「初めてじゃないけど、騎乗位以外経験ないんだよ」
「ふーん」
「よかったらセックスを教えてほしいくらいだよ」
「まあ、それはいいけど、私明々後日には帰るよ…笑」
「あ、そうだった…。うーん…。」
「まあ、いいでしょ。ゆっくり慣れればいいんじゃない?またそのうち来るからさ。でも、さみしいなー。せっかくあなたの彼女になれたのに。まさかなれるとは思ってなかったし、本当に会ってくれると思ってなかったんだよね…」
こうして彼女はケラケラと笑った。
多分僕が彼女に好意をあまり抱いていないことは見抜かれていたと思う。
それでも、僕らは恋人関係になったのだ。
シャワーを浴び終えると、彼女はすぐに眠りについた。
僕はというと、急に性病や妊娠が不安になって、色々と調べることになり、なかなか眠れなかった。
朝起きると、彼女は仕事に出かけたので、夕方また会うことにした。
夕方、僕らは街中で待ち合わせをして、夜ご飯を食べた後に飲みに行った。
途中、コンドームを買おうと提案したが、今日は疲れたからもう寝たいと言われて何も買わずにホテルに戻った。
その間、手を繋いだり、キスをすることはあったが、その日はそのままホテルで眠りについた。
次の日は、彼女がわざわざ有休をとってくれていたので、一日一緒に過ごした。
朝起きて、僕のあそこが硬くなっていることを確認するやいなや、彼女はフェラと騎乗位で抜いてくれた。
朝食を食べて、鎌倉観光をして、夕食を食べてホテルに戻った。
朝やったからもうやらないだろうと思ったが、夜もなんだかんだでセックスをした。
「教えてほしいんでしょ?」
と聞かれたが、何を教えてくれるでもなかった。
彼女はひたすら騎乗位で自分が満足するまで腰を動かしていた。
「大きいから、少し痛いんだよね…」と時折つぶやいて、ディープキス、手コキやフェラを交えながら。
「ああ、帰りたくない…」
彼女は僕にハグをしながらつぶやき、僕らは眠りについた。
次の日の朝、彼女と僕は空港に向かい、彼女を見送った。
「楽しかったよ。もう君が恋しい…」
心の底で思っていたかどうかはわからないが、不思議とそんなメッセージを送っていた。
彼女がアメリカに戻ってから、僕らはメッセージで、次いつ会えるか早速話し合うほどだった。
多分、彼女も楽しんでくれたのだと思う。
しかし、彼女がアメリカに到着して数日で、不安になるメッセージが届いた。
「私、ヘルペスが出ちゃった…」
これが僕の初めて直接聞く性病の話だった。
僕は一気に不安になって、調べまくった。
幸い、それほど深刻なものではなさそうだ。
いや、病気ではあるし、感染力もある。
でも性行為だけで感染するものではないのかと学んだ。
「ごめんね、不安にさせたよね。私、前からヘルペスが時々出るんだよね。念の為、あそこも確認してる。結果が出たら教えるね。」
彼女の方が不安なはずなのに、僕は怖くなって少し冷たい態度をとった気がする。
返事した内容は覚えてないし記録もない。
でも、この瞬間から、僕は会いたくないと思ってしまったのは覚えてる。
数日後くらいだっただろうか。
「あそこの結果は陰性だった!よかったー」
「そっか、よかった。一安心だね」
後に僕も念の為検査をしたが、幸い陰性だったし、その後も症状は出なかった。
でも、ヘルペス持ちなのに、生で攻められたことに僕は憤りを感じていた。
しかも膣のチェックもしたということは、過去の男性とのやりとりのせいなのだろうと思うと彼女への不信感も出てきた。
なんでゴムをつけなかったのだろう…。
ていうか彼女はひょっとして、僕が童貞だと思って童貞を楽しんでいただけなんじゃないか…?
まさか大阪でも他の男とやってたり、アメリカに彼氏がいるとか…?
そもそも、妊娠したらどうするつもりだったのか…。
僕はこれまで流れで生でしかやったことがなかった。
でも、その度に不安にかられた。
この時は、これまでで最も強い不安にかられた。
だから僕はコンドームはつけるようにしようと決意した。
若かった僕は、相手に責任を押し付けつつ、もともと好意はなかったこともあり、僕は少しずつ彼女と距離をとるようにした。
あまりにバカで相手に失礼だったと振り返ってみて思う。
彼女が帰国して一月程度で、僕は勇気を出して言った。
「別れよう。遠距離はやっぱり無理だ…。ごめん…。」
「え?なんで?私がヘルペス持ちだから?嫌だ、なんで別れるなんて言うの?」
大量に送られてきたメッセージを見て、彼女の泣き顔が目に浮かんだ。
それでも、僕は頑なに言った。
「ごめん。別れたいんだ。さようなら。いい人が見つかることを願ってるよ…」
こうして僕は彼女の連絡先をブロックした。
当時、タイ人元カノにやられたようなことを僕がしてしまったことには、罪悪感があった。
しばらくモヤモヤしたまま僕は1人で時を過ごしたのであった。
…ちなみに、僕は後にカナダ人女性と出会って、交際しているのかしていないのか、よくわからない関係に発展した。
この時、僕はコンドームをつけようとしたものの、普通サイズでは僕には小さすぎるという事実に気が付かず、結局その人とも生でやってしまった。
韓国人女性とお付き合いするようになっても、彼女が生でないと嫌な人で、コンドームを最初はなかなかつけられなかった。
そして、それ以降も生が一般的なのかと勘違いしてしまいそうなほど、ゴム無しを選択する女性が圧倒的に多かった。そして攻めの好きな人はたいてい僕が中に出すことを自然と受け入れていた。
それが嫌だったと言ったら嘘になるが、不安は常につきまとった。
本当に、これまで何もなかったことは運が良かったな、とこれを書いていて改めて思うのである。
(精子の健康状態は心配したほうがいいのかもしれないけど…。)
僕の国際恋愛記録 [本編未収録体験記] チーズ餃子 @bluemusic
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
あそこが大きいと言われて/チーズ餃子
★2 エッセイ・ノンフィクション 完結済 16話
先輩と寝るまで/チーズ餃子
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 10話
僕の国際恋愛記録/チーズ餃子
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 32話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます