エピローグ

 私ががるしぇに入った翌年の、初夏。がるしぇで、好美さんはパソコンに向かいながら「やった!」と声を上げた。私も、ダイヤちゃんも、歩夢さんも、晶子さんも、彼女に注目する。

 好美さんは、黙ってパソコンの画面を私たちのほうに向けた。

 そこに表示されていたのは、市の補助金の審査を、我らががるしぇが通ったという通知。つまり、来年度からがるしぇは補助金を受け続けられるということだ。去年クラファンで稼いだ分のお金はあくまで今年度一年分の運営費であって、がるしぇが活動を続けるためには、補助金が必要だったのだ。

「補助金申請に当たって、がるしぇの活動内容を『孤独な女性の経済的自立を支援すること』に変えてよかった……!」

 そう喜ぶ好美さんに続いて、私たち利用者も「「「「やった!」」」」と声をそろえる。

 そして、それぞれの活動に戻った。ダイヤちゃんは、パソコンで弾けるピアノのアプリで、ピアノ演奏をしている姿の動画の撮影。歩夢さんは晶子さんに「次はアイマスクが欲しーい……」と言って、仮眠用枕を作っていた晶子さんは「はいはい」と応じる。

 私もスマホで、がるしぇの片付けをしている自分の姿を撮りはじめた。



 そんな、今まで通りのようで少し違うがるしぇの日々。それが続くことを願いながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

がーるずしぇっど 大沢 朔夜 @oosawasakuya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ