“課金”依存症-終わってる人生-
@tujikuru3
第0話「すべては無になった」
ゲームには様々な形態がある。普通にお店に行って、対応する機種のソフトを購入する「買い切り型」が一番有名なんじゃないかな?
でも世の中には「支払いに終わりのないゲーム」が存在する。
それが「ソーシャルゲーム」、略してソシャゲだ。
ソシャゲも昔に比べたらかなり増えている。私なんてガラケーで携帯をパカパカしてた時代の人間だから、最新のゲームの進化に驚いてばっかりだ。
きれいなグラフィックにオンラインで対戦できたり、プロの声優さんが声を当て、しかもストーリーが奥深い。
買い切りのゲームは続編が出ない限り、新たなストーリーは期待できないけど、ソシャゲだと随時、新イベントや新ストーリー開放! といってどんどんと追加されていく。
私はソシャゲがめっちゃ好きだ。タイトルは出せないけど、ちょっとマイナーなパズルゲームをプレイしている。
ストレス発散に、隙間時間に、食事中に、お風呂で湯舟使ってる間に、寝る前に。ひたすらプレイしてきた。
そして私は運営にとっては優良顧客だっただろう。私はそのパズルゲーム……言いにくいし、なんか「ソシャゲの王者」と呼ばれるゲームと誤解されそうだな。言い方を変えよう。そうね……『ES』としましょうか。
読者の皆様にお願い申し上げます。もし私のしているゲームの正式なタイトルが分かっても、心に留めておいてほしい。名前を出すとね、権利関係がね? 難しいからね?
……まあ話を戻すと、そのES運営からしたらとてつもない優良顧客だった。つまり、「廃課金」していたのだ。
「廃課金って言っても月に3~5万くらいでしょ?」と思う読者もいるかもしれない。
ハッキリ言っておく。そんなレベルではない。
給料はすべてゲームにつきこんだ。私は元々、地方公務員だった。しかもかなり税収入のいい市だったから月25万円。そのうち、酒代とか飲み会とか5万円くらい差し引いても月20万円だ。
これだけではない。クレジットカードも公務員だと作りやすい。そしてクレジットカードは上限が30万円。さらに携帯決済で月7万円は課金できた。
合計で60万近く課金が出来ていた。「月60万使うってヤバくない?」と思われたそこの方! 正常な思考です。「普通では?」と思う方。ヤバいですよ、その思想。
お読みの方はもう分かるだろう。私の末路が。というか想像に難くないでしょ。
そう、消費者金融へ訪問です。借りては借金の返済に充て、また借りては借金の返済に充て……。当時の私の思考は覚えている。
「金利分さえ払っていれば大丈夫!」
こんなナメ腐った思想でいた。当然、借りては返しの連続なのでいつか破綻が来る。消費者金融もカード会社も携帯会社も無制限にお金を出してくれるわけじゃない。「借りたもんは返しやがれ」と言ってくる。
しかぁし! 私は廃課金者。お金は借金返済分を最小限にして、残りはすべてゲームの新キャラにつぎ込む! もちろん、給料もだ。
「でも引き落とし日に勝手に引き下ろされるから自動で返済されるよね?」と思われたそこのあなた! 世の中って言うのは複雑だけど、「穴」みたいなところもあるんです。
例えば、「給料が毎月25日の0:00に振り込まれる」としましょう。その後、クレジットカード会社が引き落とすのですが、実は1時間~2時間の隙間があるんです。2時間くらいあればコッチのモンですよ。コンビニに急いで行って、給料を全額下す。そしたらカード会社も消費者金融も私のお金に手をつけれないって作戦です。
後日、カード会社や消費者金融に連絡を取り、利息分と「気持ち程度」の返済をする。そして残ったお金は全額課金です。
今思えば、本当に狂っていましたね。特に借金を借金で返すあたりが狂気だなーって思います。
そして現在も課金しているのか、と聞かれると答えは「ノー」です。
本当に色々あって、ソシャゲ課金から足を洗えました。現在は運営さんがくれる無料で手に入るモノだけで遊んでいます。
しかし一言で「色々あった」と表しましたが、本当に色々ありました。
「恥の多い生涯を送って来ました」、これは誰もが知る名作『人間失格』の第一手記の冒頭ですね。私はこの「恥の多い人生」を身をもって体験しました。
ある日は弁護士から連絡が来たり、ある日は警察が家に来たり、ある日は裁判所から通告が来たり。
これらを事細かに書いていって、私がどうやって借金漬けで最後、ダムが決壊したのか、なぜ家に警察が来ることになったのか、いかにして課金をやめることが出来たのかを紹介していけたらなって思います。
まあガチで書くと、割とくらーい、こわーい話もゾっとするような話も出て来るかと思います。そうなるとおぞましくブラックな文章になると思うので、よりファニーに面白おかしく笑い話にしていこうと思います!
ゲームに廃課金して困っている人、身近な人が廃課金して困っている人に届けたい。
「私は底辺の底辺まで経験した。だからこそ言える、今すぐ課金はやめろ」
この言葉が届けば幸いです。
まずはいかに課金の沼にハマったのか、からお話していきます。
“課金”依存症-終わってる人生- @tujikuru3
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