第33話 最終話 嬉しい出来事…

B子には、施設にいる間は

自分からは連絡を取らないようにしようと決めていた。

だから…ちゃんと連絡をして来てくれたことが嬉しかった。


すぐ返事を送った。

―――卒業おめでとう。よく頑張ったね。進路はどうしたの?

―――短大に進学した。

―――頑張ったんだね。もう施設は出たの?

―――出たよ。一人暮らし!

―――すごい!

―――ご飯でも食べに行こうー

―――行こう行こう!都合が良い日教えて。

会う日を決めて…


B子の家の近くの駅に迎えに行った。

B子は、すっかり大人っぽくなっていて…

再会できた事を2人で喜んだ…


B子は、推薦で短大に合格したそうだ。

そして、奨学金で行けることになった。

施設が貯めていた児童手当等の国から出ていたお金と、アルバイトで貯めたお金で一人暮らしの用意をしたと…

これから…学業とバイトで忙しくなりそう…


施設では、ほとんどの子が就職する。

進学をする子はあまり…いない。

B子から、他の子の情報も聞いた。

1人は、自立支援ホームに行き、一人は母の元に帰った。

そして、あとの2人は就職したそうだ。

みんな元気そうで良かった。


それと…同じホームに行ったC子は…

ホームの先生と合わず…児相の配慮で

里親さんの所に行って、落ち着いていると聞いた。


1回目の人生でも、会えて嬉しくて…

一緒にランチして…

本当は孫のような歳の子なんだけど…

親子のように買い物をした。

また、B子に会えたことが本当に嬉しかった…


今回も、同じように過ごして…

お祝いを渡して…

困ったことがあったら、遠慮せずに連絡するようにと言って…

1年に1回は会おうと約束して帰った…


会えたことが嬉しくて…

ニヤニヤしながら車で帰っていたその時…




突然、車が大きく揺れた――――――

―――――地震?

そして、周りが真っ暗になった



―――――いったい、何が起きたの?

私、事故しちゃったのかな?

そう考えていたら…

いつの間にか…意識を無くした――――





そして―――――

目が覚めると…

そこは…暗くて知らない場所のベットの上…

―――ここは、何処?

―――私、やっぱり死んじゃったんだ…




―――ん?隣にあの人がいる…どういうこと?

私は、枕元にあるスマホに手を伸ばした…



今日は…2024年9月…

確か…B子に会ったのは3月…

6か月進んでる!

位置情報は…県外にいるのか…

ここは…何処かのホテルみたい…

あまりの事に驚いて、ウロウロしている私に…

あの人が目を覚まして

「もう起きてるんだ?どうしたの?眠れなかったの?」

と話し掛けて来た。

「うん…そうなんだよね…」

と言いながら、少しづつ状況を理解していった。

どうやら、あの人と旅行に来ているらしい…


私は…もう58歳になってるってことだよね。

戻ったんだー!

良かった…

6か月の記憶が無いのが…怖いけど…

少しづつ理解して行こう…


あの人も52歳になっていたけれど…

穏やかな顔…

やっとあの人に会えた…

私は、気が付くと泣いていた。

驚いた、あの人が

「えっ、どうしたの?何かあったの?」

私は…

「ううん、なんでも無いよ…幸せだなって思ったら涙が出てきた…」

「本当に?それならいいんだけど…」

「うん、大丈夫だよ」


旅行の途中で戻ったから、前半の記憶がないのが

勿体ない気がしたけど…


帰ってから

二男、長男、お嫁さんにも会えた…

孫たちの元気な顔も見れた…


それと…唯一タイムリープの事を知っている、親友にも会えた…

親友も、戻ったことを喜んでくれた…

親友は、あれからタイムリープはしてないらしい…


私は幸せだ…

あの人に会ってから…

私は変わることが出来た…

あの人のおかげで、幸せな時間を過ごせている。


嫌だけど…

もし、また過去に戻ることがあったとしても…

私は、あの人に会うために…

どんな過去でも、繰り返す…

その為なら、どんな我慢でもする…


でも…

なぜ、半年ワープして戻ったのかな…

これって…本当に戻れたの?

それとも、また今から何か悪いことが起こるのか…

その可能性はある…


これまで頑張ってこれたのは…

色々な人に支えられて来たから…

私の人生は大変なことも多かったけど、それだけは私の宝だ…

これからまた…どんなことが起きるか分からない…


でも…私は…

何が起ころうと…精一杯、生きる…

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続…もう一度あなたに会うために 秋風 爽籟 @sourai-a

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