悩み、苦しみ、這い上がる。

小さいころになりたいものは、お花屋さんだった。

色とりどりの綺麗な花たちに囲まれて、働く。

実際の仕事内容はわからないから、ただただ、素敵だと思って、お花屋さんになりたかった。


今と昔を比べて、僕の住む周辺では、片手で数えられるくらいしかお花屋さんはなく、駐車場も、お店の中も常に静かだった。


幼いころ描いた、お花に囲まれた生活、職場というのは、いまだに憧れはするけれど、たぶん向いてはいないのだと思う。


学生時代の将来の夢は自分の個性を生かして、誰かの役に立ちたいというもの。

特に何かになりたいわけではなく、ただ漠然と思っていた。


やりたいこと、好きなことが多すぎて、24時間なんて足りないくらいで、2徹、3徹は日常茶飯事だった。

学生ながらに、PC画面と国語辞典を見比べながら書いた小説は、それなりに好評で、あぁ、小説家が向いているかもしれないなと思ったり、歌うことが好きて、暇さえあれば口ずさみ、歌手なんかもいいなと思ったり。ただ好きなことをしながら生きていけたらいいなと思っていた。


でも、周囲の大人は言う。『現実を見なさい』と。

まるで書き間違えたノートのページを破るように、簡単に破られた僕の夢。そしてそれを無かったかのようにゴミ箱へと投げ捨てられて、『あなたは頭がいいんだから』なんてとってつけたように『大学へ進め』だの、『公務員を目指して、安定した職に就きなさい』だの無理やり進む道を作られた。


今、君は何を迷う?

好きなこと、なりたいものがなくて、将来が不安で、目の前が真っ暗になっているのだろうか。

それとも、やりたいことやなりたいものがありすぎて、どの道に進むべきか悩んでいるのだろうか。

後は、そう。やるべきことも、なりたいものも見つかって、ひたすらに努力をしているってこともある。


自分には何もない、だから、好きなことやりたいことがたくさんある人に憧れる、

やりたいことが、好きなことがたくさんあって、なりたいものが見つかっている人に憧れる。

勉強や試験、能力、才能の壁にぶつかったとき、いろんな選択肢の中でフワフワとしている人に憧れる。


そんな繰り返しの人間模様。


僕はただ、誰かの役に立ちたい、誰かに必要とされたい、自分ができる力全てを使って。


でも、他人であれ、血縁者であれ、自分じゃない誰かの夢を否定するのは簡単で、逆もしかり。


兎にも角にも、将来への悩み、生きる中で起こる悩みは、

あなた自身の心で結論を出さなきゃだめだよ。


僕は簡単に、周りの人間関係、生活環境、今までの生き方のせいにして、周りのせいにして、ゴミ箱に投げ捨てられた夢を拾い戻すことができなかった。


今、悩んでいることは、進むべき道を見つけたとしても、必ず途中で後悔する。絶対。でもその時、誰かのせいにはしたくない。


思う存分悩み、苦しみ、這い上がれ。


いつかきっと、大丈夫になる時が来るから。

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僕と君の生きる遺書 夜々 @XyoyoX

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