第1話 親友ポジは大変です。
突然だか少し話をしよう。今、俺が見ているこの
というのもこの小説、初っぱなで主人公が天に召されるのである。いきなりぶっ飛び過ぎて俺自身、なんとかぶっ飛んだのは片目だけですんだほどだ。
この小説に出会ったのは俺が親友エモエモ本を探しわたり、偶然たちよった古本屋だった。最初は買うどころか視界にすら入っていなかったその本はそのはず、選ばれなかった本達の巣窟、「割引コーナー」にあったのだから。
悲しきオーラを発し見る人ぞ買わないと呪われそうなその本を、俺はいつの間にか家に持って帰っていたのだ。(買ってちゃんとレシートも持ち帰えりましたぞい。)
もうこれだけですごいホラーである
だが恐る恐るみたその内容は、以外にも興味をそそられるものがあった。ヒロインに絶賛片思い中の親友ポジ男はなんと異世界転生者で、ヒロインの中身は未来からきたサイボーグ、そんでもって肝心の主人公はと言うと......
「
「ぐはぁッ?!」突如鈍い衝撃が友善の後頭部を襲い、その衝撃で友善は前にある黒板にめり込んでしまった。
シーーーン
さっきまで騒がしかった教室はまるで親鳥を失ったヒヨコのように静まり返った。
「あぁー!友善ゴメーン!!」彼を吹き飛ばした女の子はすぐさま友善を黒板から引きずり落とし、バケツ一杯の水を彼にお見舞いした。
「友善ー!目覚めて~!死なないで~!」
「....ゴボォ?!ゴビヤベバナオォイ、ヤベロバナー!?」
別の意味で目覚めるかと思った。というか召されるかと....…マジで冗談抜きで。
俺が目を覚まし、鬼の形相でことの張本人を睨みつけ、約数秒が経過し、ことを見計らったかのように彼女は口を開いた。
「.......えっと......おはよう?かな.....友善...」
「あぁおはよう。といっても今さっきどっかのバカせいで、この世からおやすみをするところだったけどな?」
「う、うぅ~.......」
「毎度毎度、俺の後頭部に恨みでもあるのかお前?!」
そうこの女、学習してないのかほぼ毎日のようにこのデカ乳をぶつけて来るのだ。さながらイノシシそのものである。
「今日という今日は堪忍してやらんぞこの妖怪Hカップめ」
どうしてやろうかこの爆乳....じゃなくてバカ乳
「...そんくらいにしてやれって友善。こんなの
「異常だろこんなのが毎日って!なぁみんな?!」
「「「「「「「「「「......」」」」」」」」」」
おい、無視かよクラスメイトどもよ
「くっ、くくふぅ、ぐっ(笑)」
今現在進行形で、腹を抱えているこのイケメン野郎は、
「よしよし~、友善にはうちがついてるからね~」
「.......いやいや、お前のせいで今この状況が作られてるんだからな?」
「えっ?.....そんな~、友善にはうちありきなんてもぉ~照れる~」
「黙れ脳内お花畑」
今、俺を現在進行形でイラつかせているこの爆乳女、愛称「華」こと
ちなみに透が好きかどうかは本人から聞いたわけではない。小さい頃から華は俺と透の方を見てよく頬を赤らめることがしばしば....察しの良い俺は親友モブポジらしく二人の恋を応援することにしたのだ。
お、順調に登場人物を紹介する俺、まさに主人公の横でいつも解説する親友モブポジションみたいじゃん!くぅ~。
と、そんなことを考えていると
キーンコーンカーンコーン
ざわついている教室に朝の予鈴が鳴り響いた。
はぁ、また大変な1日が始まるのか……(ポテッ)
親友モブ男ポジの俺に青春なんて訪れない @towai82
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