流行と自発
- ★★★ Excellent!!!
『彼が嫌がるから』
この一言が物語の重さを作っているように感じました。反発しようとしているのに最後には主導権を渡している。
彼女はビートルズを嫌っているけど、行動は常にリアクションなのだと感じてます。誰かの言葉や心持を考えて合わせて行動する。
ものすごく大学生らしい。流行みたいなみんなが同じ方向を向くことから離れて自発しようとしながら、だけどすごく難しいことなので気付かぬうちに何かに軸を置いて行動してしまう。この人間らしさがすごく好きです。
エンディングについてもおっさんの行動に対するリアクションでありつつ、だけど良い音を自分で鳴らすっていう、まだ中間的な着地もいい。これからの行動をしっかり想像させてくれる。
自発するまでのモラトリアムを真っすぐ生きる感じが良いです。
おすすめです。