第6話

 夏の日、白色のワンピースを着て外に出た。

 セミが鳴く声が暑さを倍増させる。

 歩いていると女の人が私に向かって歩いてきた。

「夏姫ちゃん、お葬式来てくれてありがとう。あの子も喜んだと思うよ」

 鈴のお母さんだった。

「いえ、鈴夏さんにお世話になったので」

 鈴は失踪してから三日後に海の浜辺で見つかったらしい。

 鈴の姿はとても人とは思えないほど膨れ上がっていた。

「そういえば、左耳見つかったんですか」

 とても苦い顔をした。

 鈴の死体は見つかったけど、左耳だけ見つかって無いらしい。

「それがね、まだなのよ」

 鈴のお母さんを少し遠くを見た。

「これからうちに来ない?あの子の部屋何も片付けてなくてね」

「よろしいんですか?」

 鈴のお母さんと一緒に家に向かった。

 そのまま鈴の部屋に入れてもらった。

 見渡すと何も変わってなかった。

 でも知っている。

 鈴の家に泊まった時に鈴が焦っていた。

 クローゼットに向かった。開けるとそこには私の写真が貼ってあった。

「夏姫ちゃん、私出かけるけどどうする?」

「私も出ます」

 写真を一枚剥がしてカバンに入れてから鈴の家を出た。

 もう一つ寄るところがあったので鈴の家から私の家の方面に歩いた。

 10分くらい歩くと病院についた。

 受付の人に面会をすると伝え、病室に向かった。

「涼太くん、元気そうだね」

 ベットの上で漫画を読んでいた、涼太くんが体を上げた。

「来る時言ってくれたら、もてなしたのに」

 ベットの横にりんごをなどの果実が入った、バスケットを置いた。

 近くの椅子に座り、りんごを一つ取って皮を剥きだした。

「一つ聞いてもいいか」

 首をかしげた。

「鈴夏を殺したのはお前か?」

 涼太くんの顔を見た。

「違うよ。鈴を殺すなんてありえない」

 彼はベットから足を下ろし、ベットに座った状態で話を続けた。

「お前の噂ははちょくちょく聞いていた。中学の頃、お前の周りに好きになった奴らがいた。でも、そいつらは決まって自殺をしていった」

 黙って、りんごの皮を剝き続けた。

「お前の周りに人が少ない理由は鈴夏がガンを飛ばしているからと思っていたが、お前に近づいたら…」

「涼太くん」

 話を遮りナイフを向けた。

「私が悪いって言うの、違うでしょ。あれは勝手に死んでいっただけ」

 りんごの皮を涼太くんの頭の上に乗せた。

「私は愛を知りたかっただけ、何も悪くない」

 鈴のために愛を偽ったら知れると思った。

 でも違った。

 鈴のために愛を偽っても、その愛は涼太くんと一緒だった。

 特別な愛が知りたかった。

 だから、ピアスまで開けた。

 でも違う。分からなかった。

 ナイフをりんごに刺して病室を出た。

 そのまま海に来た。

 私は昔から愛されていた。周りからよくチヤホヤされてた。

 色んな人が私を愛してくれた。

 でも誰も心から愛せなかった。

 本物の愛が欲しかった。

 そう思った時は相手を誑かして破滅へ追いやった。

 誑かす時は決まっている、絶対に本名で呼ばない。

 自分が相手に依存したくないから。

 このことにハマってときくらいに鈴にあった。

 この子は愛せるかな?それともまた破滅かな?

 一目見た時からこの子は違うと思った。

 個人的には鈴はいけるかなと思ったけど。

 涼太くんもありだったけど、さっきの会話で無しになった。

 でも、私のためにここまでしてくれたのは鈴が初めてだった。

 失いたくなかった、もっと可愛がりたかった。

「帰ろう」

 海を見てると見え覚えがあるものがあった。

「これ、鈴にあげた物じゃん」

 手に取り海を眺めているとあるもの流れてきた。

「ああ、やっぱ最高だよ。鈴夏」

 鈴の耳が流れてきた。

 見つかってない左耳。椿の花のピアス。

 カバンから小瓶を取り出して耳を入れてカバンの中に入れた。

 近くを見渡すと、一部だけ赤くなった場所があった。

 走ってそこに行くと赤黒く染まった砂があった。

 それを手にとって同じ小瓶の中に入れた。

 その小瓶を頭の上に掲げた。

「綺麗だよ、鈴夏」

 今だったら言える私は鈴夏を愛していた!!

 大好き。ここまでしてくれるのは鈴夏、あなただけだった。

 愛してもいたし、同時に誑かしてけがしてた。

 私はあの子が好きだ。

 恋愛的な感情かわからない。

 でも、誰よりもあいしていた。

 二人ともお互いに穢しあっていた。

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夏をアイした少女 雅(みやび) @__miya__

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