第2話 とても可愛くて、頑張り屋な女性V配信者さん 2
「あ!MI(エムアイ)さんだ!大丈夫なの?」
3日ぶりに配信に入って、いつもの様にまずは無償のポイント分のギフトを投げた私に、彼女はすぐに声を掛けて来てくれた。
「MIさん、久しぶり~。なにかあったの?」
「MIさんだ。ヒャッハー!ピーマンとこにも来てなかったよね?」
よく配信内で、同じくコメをしている仲のいいリスナーさん達からも、私に向けてコメントをしてくれた。
「え~っと別に体調不良とかで無くて、物理的にNETの回線をぶった斬って仕舞って、今日修理して貰ってようやく戻って来れました。」
そう私はPCに繋がっている、光ファイバーのケーブルを、掃除中に引っ掛けてしまって、ここ数日NET自体一切繋げて無かった。
スマホは一応持っては要るが、ゲームやアプリを一切せず、精々X(旧ツイッター)のフォロアーさんの呟きを見る程度。
頑張って連続配信されているミミさんの配信にも、一度も顔を出せて居なかった。
基本的に短時間であっても、私も毎日配信には顔だしていたので、心配をしてくれてた様子。
少し申し訳ない気持ちにで返信した私に、
「そうだったんだ~。Xのグッドを押してくれてるのは、確認してたけどNETが出来ない状態だったんだ~。」
と、返してくれた。
「ご心配頂き申し訳なかったです。そういえば観れなかったけど、ホラゲー配信はされましたか?」
「うん。したよ~・・・。ピーマンちゃんに見守って貰ってね。でも怖すぎて全然ゲーム進めれなかったけど・・・」
「ルルちゃんは頑張ったよ!」
「チュートリアルはクリアしたよね~。2時間くらいかかったけど」
「後半はもう何かする度に「もう終わっていい?」って涙声だったw」
他のリスナーさんのコメから想像するに、なかなかにカオスな配信だったようだった。
ルルさんの会話に度々上る、ピーマンちゃんこと「服部ピーマン」さんはルルさんの所属しているV事務所の先輩V配信者。
ルルさんが配信アプリでデビューする前から、事務所の先輩として親睦が深かったとルルさん自身から語っていた。
そしてルルさん自身がデビューしてからは、大好きな先輩の配信に一リスナーとして、毎回の配信に来ている。
元々私は「ピーマン」さんの枠のリスナーで、ピーマンちゃん♡全開で配信に来ているルルさんに対して、「ピーマン」さんも
「ルルちゃん可愛いよ!皆もルルちゃんデビュー果たしたから、配信を観に行ってね~」
っと言った感じでこちらも負けじと、ルルちゃん♡でプッシュしてくる「ピーマン」さん。
先輩・後輩の関係性ではなく、お互いが大好きで、俗に言う「テェテェ」な仲の二人。
その流れで私もルルさん枠に行くようになり、配信デビューから数日遅れてルルさん枠リスナーになった。
連続配信30日記念に、結局ホラゲー配信をやると決意したルルさんが、
「でも怖いから、ピーマンちゃん召喚する!お互い配信にはリスナーとして行ってるけど、ピーマンちゃんとコラボもしたい!ピーマンちゃんに見守りお願いします。」
っという事で初ホラゲー配信&初コラボ配信となった訳だけど、丁度運悪く私はNET環境を失い、リアルでの視聴を逃してしまった。
「リアルで観れなくて残念です。アーカイブで後で見せて貰いますね」
「あ!アーカイブ上げてないの。ちょっと編集しなきゃならないとこあって、その作業がまだで。」
「そうなんですね。重ね重ねリアル視聴出来なかったのが悔やまれる。」
「うぅ。編集するのに見直すのも嫌なんだけど・・・。でもMIさんにも観て貰いたいし。頑張って編集するから少し待って?」
「あ~。御免ね?でも観たいのは確かだし、慌てなくていいから編集頑張ってくださいね。楽しみにしてますから。」
「でもホント全然進まなかったから、グダグダだからね?期待に添えれないかもだけど」
「可愛い悲鳴だけで👍!それでご飯三杯行けるからw」
「それなら期待していいよw全編ルルさんの悲鳴だからw」
「過去一進まないホラゲーw」
「いやルルさんは頑張ったから!」
と、からかいとルルさんの頑張りに対するコメが流れる。
ルルさんにはある意味申し訳ないけど、ホラゲーの進行よりもどこまでルルさんが怖がったんだろう?って興味と期待しかなかったw
一通りホラゲー配信に関わることと、私のリスナー復帰の話題のあとはいつもの調子で雑談に戻っていった。
そしていつもの様に、
「そろそろピーマンちゃんの配信始まるってか、始まったからルルの枠はこれで終わるね~。おつミンク~」
と大好きな先輩・ピーマンさんの配信開始を合図にルルさん枠は終了した。
おっさんリスナーから見た V配信者さん @ci5
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