怪談好き イリスの話

 ハイハーイ!みなさんコンバンワ!

 イリスでーす。

 前回の怪談ライブに来てくれたは人は、知ってるかもしれませんが、私の話、あんまり怖くなかったって言われちゃって……

 胸に手を当て考えてみたら、確かに!!ってなりましたよ。

 やっぱり日本は独特のじっとりするようなホラーが魅力ですよね。私もたくさん怖い話に触れて、話し方も勉強して実力をつけたいと思います!


 と、いうことで早速話を始めますよ。


 これは友だちの友だちの話なんだけどね……




 Nちゃんは、明るくて元気のいい子。

 なのでNちゃんの周りには自然に人が集まってくる。

 小さい頃から友だちの友だちは友だちって感じだった。

 人物相関図なんてものを作ったら、大きな紙に書かないと図が収まらないんじゃないかってぐらい交友関係が広かった。


 高校生のある時、帰り道で声をかけられた。

 振り返ってみると見たこともない制服を着た女の子がいた。

 その声は知っているものだったが、誰なのか思い出せない。


 友だち?それとも……?


 記憶を一生懸命掘り起こしてみるが、わからない。

 顔を見ようとしても逆光で影になり、わからない。



「誰?」

 とNちゃんは尋ねた。


 少しずつ近づいてくる彼女。

 近づくにつれ、それは確かに友人らしき人影だった。

 そして顔が見えた。


 だが——


「やっと見つけたよ!」


 彼女は満面の笑みを浮かべていた。

 その表情を見た瞬間、背筋が凍りついた。

 笑顔は正しい。

 でも、目も鼻も口も……正しい位置になかった。


 目は耳の横にあり、鼻は額に浮かび上がり、口は顎の下に伸びていた。

 顔のパーツが全て間違った場所にある。


「ああ……ああ……」


 声が出ない。

 逃げ出したいのに足が動かない。


「ねえ」顔のない何かは言った。


「私たち、友だちでしょう?」


 Nちゃんは弾かれたように咄嗟に踵を返し、全力で自宅まで帰った。


 あれは何だったのか。

 友だちの声だった。

 本当に?じゃああれは、誰?名前は?

 分からない。


 考えても答えは出ない。

 何かの見間違えかなともおもった。


 しかし。


 それからというもの、仲間内に見覚えのない子が混じっている事がある。


「私たち、友だちでしょう?」


 とあの時の笑顔で笑って。






「友だちの友だち」

 三題噺「胸」「図」「実力」

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怪談Night 短夜 羽入 満月 @saika12

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