第56話電話

「ねぇ…」


「うん?どうした、凛?」


「今日の豊ちゃんと優花ちゃん…。なんだか変だよね?」



((ギクッ…!!))



「そそそっ、そんな事ないわよっ!?ね、ねぇ、豊和君っ!?」


「あ、ああ…だよな?」


 優花よ。俺も人の事は言えないんだけど…ドモり過ぎじゃないか?それでは何かあったのが一目瞭然と言ってるいようなものじゃないか…?


「……優花ちゃん…?」


「なっ、何っ…?」


「歩き方もおかしいよね?妙に内股気味に歩いてるし…二人の距離もいつもより近いよね?」


「せ、生理が…お、重たくて…」


「生理は私と同じ周期だったよね?」


「へぅっ!?その…は、早まったのかも…」


「優花ちゃん…?どうあってもしらを切るつもり?」


「その…えっ…と…」


 何やら嫌な予感しかしないんだけど?優花はもう全てをゲロりそうだしな…。まあ、優花との事は気恥ずかしいだけで、凛には別に伝えてもいいだろうに…。


 ここは…やっぱり俺から言うべきだよな?


「あのな…凛」


「んっ?」


 優花との事を凛に伝えようとした時…プルルルッっと俺の携帯が鳴りだした。


「と、豊和君!電話よっ!!」


「ああ…」


 俺は携帯を取り出し画面を確認すると…電話を掛けてきた相手は悠介さんだという事が判明する。おっふ…。今…悠介さんと話すのは精神的にきついな…。可愛い1人娘に手を出した男だしな…。


「二人とも先に行っててくれるか?悠介さんから電話だから…」


「お父さんから…?」


「うん。分かった。さぁ、行くよ、優花ちゃん?」


「ちょっ!?待ってっ!?凛ちゃんそんなに引っ張らないでっ!?まだ違和感がっ…」


「いっ、違和感っ!?はあっ!?」


 そんな二人の声がどんどん離れていく。俺は慌てて電話をタップして…


『…今日は出るのが遅かったじゃないか?豊和君?』


「…おはようございます、悠介さん。ちょうど今通学途中でして…」


『そうだったね。今の時間なら時間的に通学途中だったか…。はははっ…うっかりしてたよ…電話は大丈夫かい?』


「ええ。大丈夫です。それよりどうしました?何かあったんですか?」


『ああ。すまない。いや、なに…。それで電話したんだよ。まあ、要件も当然あるんだがね』


「ほ、報告ですか…?」


 報告…。妻からって事は麻美さんか…。まず間違いないな。


『義理の息子になるであろう君から直接聞きたくなってね』


 はい。やっぱりね。それですよねぇ?


「ああ…そのですね?正直に言いまして…娘さんに…優花さんに手を出してしまいました…」


『ああ。聞いてるよ。僕としては意外と早かった喜ぶべきか、優花の気持ちに気がつくのが遅いだろうと怒るべきかどっちだと思う?』


 ぐぬっ!?悠介さん…それは…俺としては何と答えるべきか非常に悩むのですが…。


「…両方ですかね?」


『ははっ…ちょっとばっかり冗談が過ぎたかな?まあ、僕としては優花を泣かせるような事がなければ構わないさ。それに…泣かせるような男ではないだろう?君は?』


「まあ、鈍感なのは流石に自分でも分かりましたけどね。当然ですが…泣かせるような事はしませんよ」


『それは…他の娘達も一緒だよ?』


「…はい?」


『もう一つの要件がソレだよ。妻からも愛からも色々言われたからこそ…あの法案を通そうとしてるんだからね?』


「ちょっ!?ちょっと待って下さい!?悠介さん…何をっ?」


『まあ、一番の理由は娘が悲しい思いをしなくて済むように保険を掛けさせてもらっただけなんだがね?娘可愛さってヤツだろうね』


「いやいや…あの法案はおかしくないですか?」


『君にとっても必要になるさ。間違いなくね。まあ、豊和君と優花が結ばれたからこそ言えるが…優花はすでに君に依存している。見てて分かるだろ?君が居なくなったらあの子は…間違いなく死を選ぶだろうね』


「………」


 た、確かに…優花本人からもそう聞いたけども…


『この際だから言っておくけど…私はあと二人…似たような気持ちを君に抱いているものを知っているよ』


「はあっ!?」


 あと二人!?えっ?まじでっ!?それが本当なら…俺自身が色々とやらかしてて…俺がヤバいんじゃないか?


『その反応からして…やっぱり君は気付いてなかったみたいだね…くくっ…』


 いやいや…笑い事じゃないんですが?


『まあ…とにかく…そういうわけさ』


「『そういうわけさ』と、言われてもですね?」


『だからこその法案だと思えばいいさ。な〜に…誰にでも認めるわけじゃないしね。人間性や経済面を含めて審査してからのソレになるからね。まあ、君なら大丈夫さ。とにかくだ。あんまり長話してたら学校に遅れるだろうから私はこの辺で失礼するよ。しっかり考えて動きたまえよ、義息子よ。くくっ…』


 言いたい事を言って悠介さんは電話を切ってしまった。えっ?まじでどうすればいいんだ?俺は自問自答しながら学校へ向かうことになった…。






***

あとがき


優花「まあ、あと二人って…間違いなくあの二人だよね?」


芽依「私の事だねっ!!」


日和「いや、ちげぇだろ…」


芽依「なにを〜〜〜」


天音「私も違うと思うよ?」


水樹「うん。そうだね」


風花「まあ…とにかく…これであたし達も参戦出来る目処が立ったわけね?」


水樹「どうなんだろうね?」


芽依「いや…立たなくていいからね!?」


 




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凌辱系エロゲの世界に転生〜ゲームの世界が現実になったからには…俺はヒロイン達を救いたい〜 美鈴 @toyokun

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