第55話朝…

 目が覚めてしまったので今何時だろうと思い携帯を手に取る。


「…5時…か…」


 5時で思い浮かぶのは懐かしい記憶。前世での記憶だ。それってどんな記憶って聞かれたらコントなんだけどな…。知ってるかな?


『明日早起きしないといけないんだよ』


『何時?』


『5時だけど?』


『ごごごごごっ、5時っ!?』


 そんな感じで次の日に旦那が早起きしないといけないのに、なかなか二人とも眠れなかったり、イチャイチャしたりと俺の心に焼き付いて離れない名コントだ。



「…んっ……すぅすぅ…」



 名コントを思い出して懐かしんでいると、隣からそんな寝息が聞こえる…。げ、現実逃避はここまでかな…。二人とも一糸纏わぬ姿でくっつくように眠っていたので、当然の事ながら体に柔らかい感触も温かさも伝わってくるし、左手は彼女に腕枕しているしな…。何気に腕枕って痺れるよな…。


 お気づきだろうか?気づいてるよな…?俺は昨晩…優花に手を出してしまった。


 完全にヤッてしまったな…。優花に手を出した事には後悔はない…。勿論手を出した以上は責任もとるし、俺自身好意を持っている事に気付いたからこうなったんだけど…。まあ、なにより一番気掛かりに思えたのはこういう関係にならなかったら…優花が居なくなる…そんな気がしたからかもな…。それを考えた時に好意に気づいたんだけどな。


 まあ、問題は天音に告白された日に優花とこういう関係になった事だよな。ちゃんと天音に断らないとな…。



「…ん……ぁっ…」


 優花の寝顔を見ながらそんな事を思っているとゆっくりと瞼が開いた優花と視線が交差する。優花は慌てて俺の胸元に顔をうずめてきた…。


「…悪い…起こしてしまったか?」


「…ううん……寝顔を見られるのもだけど…昨日しちゃったから…その…恥ずかしいだけっ…」


「…可愛かったよ。凄く…よく今まで意識せずにこられたなと思ってる…」


「っ…あ、ありがとう…でもね…?豊和君は意識せずにじゃなくて…たぶん…意識しないようにしていただけだと思うわよ…この間の話もそうだけど…色々と一人で考えてた事が多いと思うから…」


「…優花の言う通りかもな」


「ねぇ…今何時?」


「…あ、ああ、5時過ぎたところ…」


「…まだ…時間あるわね」


「んっ?」


「あのね…もう一度…豊和君を感じたいの」


「っ!?」


「…お願い」


「…うん」




 そのまま昨晩と同じようにまた一つに重なる事に…。その後、朝からシャワー浴びたり、学校へ行く準備だったりとバタバタするのは必然だった…。尚、妹の芽依が物凄く不機嫌だったのと、それとは真逆に両親が異様にご機嫌だったのは…たぶん…バレてるからだろうな…。


 補足として言っておくけど…俺の部屋は配信したりする為に防音になっている。優花の歩き方と雰囲気で分かったんだろうと思う。そういう関係になった優花の色気がまた凄いことな…。



 とにかくそんなバタバタした朝…。  


 テレビからとんでもない事が流れた。



『─収入等の審査をクリアした者は重婚を認めるというのは本当ですか?総理?』


『まだ議論中ですがね…』



 何を議論しているんだよ…。しかも総理の後ろの方に映ってるの悠介さんだよな…。








***

あとがき



凛「んなっ…なななななっ…」


日和「やっ…やりやがったっ!?」


天音「わ、私のせいっ!?」


水樹&風花「…私達はどんな反応すればいいのっ!?」


芽依「けっ…どうでもいいんじゃないですかっ…けっ…けっけっ!」


愛「芽依様がグレてますね…」


凛「優花ちゃんめぇ…」


日和「マジそれなっ!」


愛「筆者いわく…勝手に動いたそうですよ?この展開ならこうならないとおかしいだろうと持論を述べてましたし」


水樹「ま、まあ、年頃の男女二人…」


風花「何も起きないわけ…ないわね?」


愛「みなさん…最後の一文が重要なのでは?」


一同「「「「た、確かにっ!?」」」」








 







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