第54話部屋で二人

 幼い頃から優花とは一緒にいる時間が長いとはいえ、好意を伝えられた異性と部屋には二人っきり…。しかも風呂上がりのせいだろうか?いつもよりも色っぽく、一人の女性なんだと感じてしまう。認識してしまうの方が正しいかも知れない…。



「…改めてになるんだけど…」


「んっ?」


「私ね…。豊和君が…好き…」


「…うん」


「お、重いとかうざいだとか思われるかも知れないけど…豊和君に…フラれちゃったら…私…生きていけないっ…。それくらい本気で恋してるし、私を見て欲しくて…好きになってもらいたくてどんな事でも頑張ってきたわ…。料理だってそうだし、自分磨きもそうだし、勉強だってそう…。人にとって空気って欠かせないじゃない?勿論水や食べ物も欠かせないけどね…。私にとって豊和君はそういう存在なの…」



 そう言葉を紡いだ優花。正直そんなにまで想われているとは思っていなかった。そんなに想われて正直に嬉しいは嬉しい。前世でもエロゲやらなんやらしてるだけの人生だったしな。



「い、今時の高校生って早いじゃない?」



「……んっ?」


 今時の高校生って早い?早いって何の事を言ってる?  


「ほらっ、その…相性というか…そういうのも…た、大切だと思うのよねっ?だ、だって…こうして話するのも…一緒に居るのも…相性がいいからだと…思うのよ…」


「あ、ああ…だな」


 相性…こう話しやすいとか雰囲気がって事だよな?確かに優花といて嫌な事だった事は一度もない…。それは伝えた方がいいよな。


「俺はさぁ…優花と一緒に居る事を嫌だとかそういうのは思ったことはないよ。寧ろ…一緒に居る事が当たり前になってるっていうかさ」


「っ!? そ、そっかぁ…私も同じ。だからさぁ…確かめようか?さ、さっきも言ったけど…コレって早い子なんか中学生でも経験してるしっ…」



「…確かめる?」


 

 その瞬間俺の視界は天井へと向かった。お腹に重みを感じてすぐに視界には優花の顔が映り込んでくる。その瞬間俺に馬乗りになってるのが分かった。俺は慌てて優花に声を掛ける。



「ゆっ、優花っ…!?ちょっ…んむぅ──」



 ちょっと待ってくれと言う言葉を紡がせないかのように自身の腕を俺の首とベッドの間へと潜り込ませてから唇を重ねてきた。密着度が半端ない。



「んちゅっ…まっ…んむっ…て…んぐっ」


「ちゅっ…んむっ…待たないっ…んむっ…」



 唇をむさぼるかのように何度も何度も重ねられる。そのうち俺の唇を割るかのように、にゅるりと柔らかい感触が口内へと侵入してきた…。侵入してきた柔らかい感触は俺の舌へと絡み合い…


 そのうち…俺はその感触にボッーっとなっていって…







***

あとがき



凛「優花ちゃん!?優花ちゃんはどこっ!?」


日和「アイツ居ないぞっ!?」


天音「ちょっと!?これ止まらないんじゃあ」


芽依「私が来たっ!」


凛「芽依ちゃんがいたわね!頼むわね、芽依ちゃん!」


愛「芽依様はお母様に止められていて動けないのではっ?」


凛「……えっ?」


日和「誰が止めるんだ?」

 

水樹「止められないし、止まらないんじゃあ…」




 



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