第22話イベント⑤
ー索敵ドローンフロア ー
防御力の高いドローンが巡回しているため、専用アイテムでドローンを倒す。
(※ドロンが電撃ビームを撃つ⇒予備動作で赤い線が見える)
俺たちは時計塔の中を登っている。
時計塔に張り付いている大きな蔦や崩れて鉄骨が横になった部分をつたって上を目指しているが、道中にこちらの通常攻撃が全く通らないドローンが空を飛んでいる。
「ちっ。外しましたか」
「雪花…言葉遣いが悪くなっているぞ」
雪花が今、撃ち出したのは索敵ドローンを捕獲するための専用アイテム網だ。
網はハンドガン形状のような銃の弾として宝箱に入っていた3発限りのアイテムで、飛距離が短いというデメリットがある。
「それにしても今回のフロアはお姉様の新武器が大活躍ですね」
それは俺も思った。飛行型ブラスターと索敵ドローンの相性がいいのだ。
索敵ドローンは動くものに反応しているのか、飛行型ブラスター(イリス)を飛ばすと面白いくらい食いつくのだ。
それに気づいたきっかけは雪花のおかげだけどな。
いつもどおり飛行して最短距離でゴールを目指そうとした雪花に索敵ドローンが群がり雪花を戦闘不能にしてくれたおかげで何に群がるか分かったのだ。
もちろんそのことは雪花には伝えてない。
なぜなら、言ったら絶対雪花はすねるから。
そしてイリスの有用性に気づいた俺はイリスで索敵ドローンをいくつか釣って網を持った雪花が待機している場所に連れて行き、雪花がドローンを捕獲する作戦を実行しているわけだ。
ちなみにレオは捕獲されたドローンの機能を停止させるためにちょっとしたミニゲームをしている。
出された単語を30文字ぐらいから探し出し、そこをクリックするゲームだ。
捕まえたドローンが多いほどレオがひひー言うので俺も一応手伝っている。
「やっと、終わりました…」
「結構な数を捕まえたな。目に見えてドローンが少なくなったぞ」
なぜ先に大量のドローンを捕獲する大変な作業をしているのかと思うだろう?
ちっち…これにはちゃんと理由があるのだよ。
索敵ドローンが繰り出す電撃攻撃は地面の水たまりに当たると範囲攻撃になって回避不可の即死技になるから足場が少ない時計塔ではすぐ死んでしまう。
その点を考えたら、少しでも死亡フラグを少なくするために取ったこの作戦が一番の最善案だ。
ballはどこだ?あ、あった。右上辺りに表示されていた。
そうやって俺は時間内に最後のミニゲームを解き終わったのである。
☆
チーン
あれ?エレベータから降りるとそこは、最初に少年と会った場所だった。
俺たちは次の階層に進むボタンを押したはずなのに最初のメインフロアに戻ってきてしまったのだ。
何かのバグか?
そう思い、もう一度エレベーターに乗るため振り返る。
______ー張り紙ー__________
次の階層はエリアボスとなっておりますので休憩をはさみ、プレイしてください。
_____________________
つまり、運営が言いたいことは現実での水分補給やトイレを忘れるなと言うことか。
「お二人とも一度、ログアウトをして水部補給をしに行きませんか?二時間も続けて現実世界で同じ姿勢でいるのも悪いと思うので」
「分かった」「賛成です」
その意見は満場一致に賛成となり15分程度、現実世界で休憩を取ることとなった。
・
・
・
「レオと雪花は満腹値は大丈夫か?」
「そういえば僕、ログインしてから果物しか口にしていません」
雪花もロールパンを一つ食べたくらいで、満腹値が赤に近い黄色になっていること。
なら、俺がログインして初めに作ったサンドイッチを披露する機会だと思い、食べ物を譲・渡・した。
そういえば、昨日か一昨日くらいに販売行動はセーフティーエリア以外ではできないが譲渡する行動なら外でも取れるという一種の抜け道を発見した。
そんなことを考えながら二人の俺の料理の感想を待つ。
雪花が俺の作ったサンドイッチを見た感想は「お姉さまは相変わらず料理が下手ですね」だ。
失礼だと思ないか?せっかく人数分を作ったのに( ^ω^)・・・
「ボソっ お前だって卵うまく割れないだろ」
あっ
正志がひょっこり出て来てしまった。
それにしてもちょっと納得がいかない結果になってしまったが俺はサンドイッチを食べ終え、ボスに挑むため準備運動のストレッチを挟んだ。
「ふう」
「お姉様、そろそろ行きましょう」
「あぁ。満腹値も心配いらなくなったことだ。ボスに挑むぞ!」
ロボットVRゲームで高身長美女を演じることとなった~俺のネカマ奮闘記~ ネロ偽者 @haserin323
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