6話 父親と修行?

ふぅ~。

今日はぐっすり眠れた。ふかふかなベッドのおかげだ。


ん?なんか下半身に重さを感じる。なんだろう。


はっ!?


これはまさか、最近流行りの起きたら妹がいるあれ!?でも僕の全く可愛くないんだよな...。


僕は目を開けた。


「いい朝だな!我が息子よ!」


僕の上にはあぐらをかいた父親がいた。消えろ。


「なにしてるの?」


「な~に、やっとちゃんと関われるようになったのだ。修行でもせぬか?」

...

あー。これまで監禁していた埋め合わせをしようとしているのか。


「いいよ。でも少しだけね」


「ありがとう息子よ!ならば行こうぞよ。いざ庭へ!」

「う、うん。」


父親こんなうるさかったっけ。


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「息子よ!本気でかかってこい!」

「はい...」

父親と戦うことになってしまった。肉弾戦ではこの筋肉に勝てる気がしない。


「魔法は使っても?」

「まあ良いだろう。というか武器も使っていいぞ?」

「武器はなんも分からないからいい」

「そうか。なら始めようぞ」

「うん」


互いに離れ位置についた。

「はじめぇッッッ!」

父親の叫びで闘いは始まった。


まあ僕には時止めmagicがあるから瞬殺はない...!?

刹那、距離をとっていた父親が一瞬で目の前に現れた。

「あぶっ」

ぎりぎり時止めが間に合ったが僕は1秒も止められない。


とりあえず後ろに回り込みつつ父の足に氷魔法を張っておいた。


時止めが解除される。父親は驚いたような反応をしたが、すぐこちらを向いて攻撃しようとしてきた。なんですぐ気づくのだろうか。怖い。


だが0.3秒も時間が稼げれば十分だ。


僕は雷魔法の応用...雷を球状に練ったものを打ち込んだ。

周りには砂埃が舞う。


やったか!?


砂埃が散っていくと...そこに父はいなかった。


まずい...時止めを...。



「よくやるじゃないか息子よ。まあ、まだまだだが」


「っ!」


うしろっ...!?


次の瞬間には僕の意識はなくなっていた。


_________________________________________



「起きたか」

「うん...」


紫陽花が逃げてといった理由が分かった。


これは無理だわ...。動きが早すぎて目で追えない。力も強い。本当に圧倒的な差だった。

というかこれレベルが世界にゴロゴロいるとか恐ろしいなこの世界。



「ねえ父さん、父さんはなんでそんなに強いの?」

「根性さ」

「根性かあ...」


「お前もグランフォート家に使えるようだし、もっとみっちり修行しないとな。

もっともその年でそれだけ強いならあまり問題はないだろうが」


...

「いや...もっと稽古つけてよ」


「...?それは何故に」

父は不思議そうな顔をしている。


「パール様を守りたいから」

父がもっと不思議そうな顔をした。


「それではもっと意味が分からない。お前とパール様はつい昨日会ったばかりで忠義などあるようには思えぬが...」


「昨日、僕が前世の事を覚えていると言ったよね」


「ああ」

「彼女...パール様は前世、僕の幼馴染だったんだ」

「なんと...」

「でも前世の僕は、彼女の一番近くにいながら彼女を守ることができなかった。

だから今世こそは彼女の事を絶対に守り抜きたい。

例え...自分より遥かに大きな物体が落ちてきても。

この世界で一番強い人間が襲ってこようとも。

世界の全てが敵に回ったとしても。


彼女だけは守れるように僕は強くになりたい。


だから僕に、稽古をつけてください」


僕は頭を下げた。


「...分かった!お前を、この世界で、一番強い存在にしてやる!」

父さんは僕の想いに応えてくれた。

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転生したら元いた世界の幸運よわよわ幼馴染とヤンデレこわこわ義妹がついてきた 月雪 @yukitukiyuki

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