#2 MIYATA CHIKAさんの器

吉祥寺にあるCINQという雑貨屋さんがとても好きだ。お店の成り立ちなど詳しい事はわからないが食器類やリネン類のほか生活雑貨がセレクトされており大変おしゃれである。その店のinstagramをチェックするようになり知ったのがmiyata chikaさんという方が作っている器。これが好み、すごく好み。


私は数年前にアンティークの分厚くぼってりしている茶碗を購入してから、厚みのある食器が好みだと自覚したのだが、miyataさんの器もまた分厚い。色は白で柄などはなく無地である。装飾はないが無骨なんて事はなく、すごく可愛い。その形だけで可愛さが溢れているのである。形で表現している可愛さを消さないための白であり、無地なのかな、と思わせる。作家もの特有の、手作業だからこそ出る少しのイビツさが、さらにその可愛さを加速させている。


そんなmiyataさんの器であるが、製作数がわずかなため、数少ない(というか唯一なのかもしれない)取扱店であるCINQでも、年に2回程の入荷タイミングを抑えないとすぐに売り切れてしまうという事だった。いつでも都合つけて吉祥寺に行ける訳でもないので、正直買える事はないだろうと思っていたのだが、うまいこと自分の都合と入荷タイミングがあい、買えたのだ。ありがたい。


少し高さのあるカフェボウル(で良いのだろうか、お店のディスプレイは茶道の茶筅が入っていたので抹茶盌として考えていいのかもしれない)を一つ(3300円)。まさに抹茶盌を探していた。思っていたのは高さがない直径が広めのお盌なのだが、いや、そういった少しのズレなど気にしない。抹茶盌を探していて、目の前にずっと恋していたmiyataさんの抹茶盌(にしても問題なさそうなもの)が現れたのだから、買わない訳にはいかない。


直径5cm程、高さも5cm程の器を一つ(2850円)。これは使用用途の答えがまだ出せていない。小ぶりのイチゴを4粒ぐらい入れると丁度良さそうなのだが、本当にイチゴを食べるときにわざわざこの器を用意するだろうか、絶対しない。面倒臭くなってしまう。でもこの器はフチが波々となっていて余計に可愛いかったので、まずは購入して家に持ち帰ってからゆっくり使用用途について考えたい。店員さんは「同時に二つ購入するのなら、合わせて一緒に使うのも可愛いですね」と言っていた。なるほど。


二つも買ってしまった。幸せである。


余談であるが、もしこれを読んでいる方の中で「私も分厚い食器が好みだわ」と言う方がいたら「サタルニア」と言うイタリアの皿を見てみて欲しい。メーカー品なので値段も手頃だし簡単に複数手に入る。我が家の食卓の基盤を支えている皿である。


今回出てきたお店:CINQ

吉祥寺にある生活雑貨のお店。イギリスなどヨーロッパの商品を中心としてセレクトされている。これを購入したら日々の生活を送る上で気持ちが上がるな、と思えるものが沢山ある。お茶会などのイベントも時々あり、気になっているが行った事はない。実店舗だけでなくオンラインショップもあるが作家さんの作品などは店舗に行かないと難しそう。

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不惑の買い物履歴 八木 文子 @mostly_gray

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