不惑の買い物履歴

八木 文子

#1 インダスバレーのシルクスカーフ

夏の間だけ近所のギャラリーショップに素敵な店がやってくる。「インダスバレー」というインド雑貨を取り扱うお店だ。木版のスタンプや、糊を使った染色技法などを用いた、日本の伝統的な柄とは一味も二味も違う雰囲気の布や衣類が並んでいる。


去年も魅了されたのだが目移りしすぎて決められなくなり、結果、何も買わない、という事態となった。「よく我慢した、偉い」と直後は思っていたのだが、後から近所に住む友人たちが「これ買った」などと報告してくるのを見聞きしているうちにやっぱり惜しくなったのである。


そのため待ちに待った夏がやってきた。今年も7月〜8月の2ヶ月間、週末だけではあるが長い期間開催して下さっており、非常に助かる。


1番お勧めしたいのがハンカチ。具体的なサイズを聞いてこなかったのだが60cm×60cmぐらいはあるだろうか。お弁当を包むのに使ったり、首や頭に巻いたりと色々な用途に使える。像や鳥といった動物柄から、車や扇風機などの変わった柄もあり見ているだけでワクワクしてくる。そしてお値段が破格の880円。そうなってくると「1枚、、いや2枚買っても、、まぁ3枚もあり」となってどんどん選べなくなってくる。そして去年は頭がパンクして買えなくなってしまったのである。


今年もまた、選べない、という事態に陥っていたのだが、少しクールダウンするために別の商品も改めてもう一度見回してみた。目に止まったのが「シルクスカーフ」。シルクスカーフと一言で言っても色々な種類があり2〜3万円程の高価なスカーフもあり、6600円のリーズナブルなものあり、全てを説明してはいられない。その中からシルクのスカーフが「6600円」というお値段で買えるのか、という所に驚き手にとってみた。畳んであるとぺたんこで薄いのだが、それを首に巻くと「あらビックリ」ふんわりして顎のあたりまで隠れるようなボリュームが出るのである。そしてさらに驚いたのが「暖かい」という事。ここを訪れたのが7月なので「暖かい」ものなんて全く要らないのだが、それでも気持ち良い温もりを感じられてすごく興奮した。これは冬に手放せなくなると確信した。見た目はとても良い。長方形の形のスカーフなので、首に一巻きした後、軽くかた結び、これだけで驚くほど様になった。衝撃的だった。

柄はハンカチと同様沢山あり、これまた悩んだ。本当は小花柄だったり鮮やかなピンクや水色といったものの方がインドの雰囲気を楽しめて嬉しいのだが、私の顔の周りに持っていくと、断トツで茶色地に黒の大きめの模様が入っている癖強なストールが似合ってしまった。ちょっとびっくりするぐらい圧倒的に似合っていた。これを買うしかなかった。店主さんにも「モデルになって欲しいぐらい」と言われ(リップサービスなのはわかってるのよ、わかってるけども、、嬉しいの。)とても良い気分になった。

この場ではシルクスカーフ1枚のみを購入したのだが、、この夏もう一枚買う気がしている。ハンカチも買う気がしている。夏場にも使えるものも欲しい。こうして物欲のスイッチが押された夏であった。


今回出てきたお店:インダスバレー

実店舗は井の頭線久我山駅に。インドの木版手捺染布とその布で作った衣類を取り扱っており、ポップな柄からエレガントで上品な雰囲気のものまであるので自分に似合う商品を見つけられそう。

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