海辺で美人三姉妹と仲良くなっちゃった一夜の話

千織

忘れられない一夏の出会い

☆まずは画像を見てね☆

https://kakuyomu.jp/users/katokaikou/news/16818093080881496276


 大学二年生の蒼真は、初めてできた彼女に三か月でフラれた。

 NTRされたのだ。

 三か月なんて、まだラブラブの絶頂のはずなのに。こんな形で流行りに乗りたくなかった。


 蒼真はバイクに乗り、傷心旅行として海にやってきた。と言っても、キラキラビーチではない。漁村だ。



 海を見つめ、心を清らかにしようとした。


 

 最初のエッチのとき、緊張のせいかうまく勃たなかったのだ。一度目は笑って許してくれた彼女だったが、二回目もうまくいかず、焦る蒼真の様子に苦笑いだった。


 しばらくタイミングが合わなくて、気づいたら彼女はバイトの先輩と仲良くなっていた。彼女の部屋に隠してあった、絶対に自分とは違うサイズのコンドーム……。大人しく、身を引くことにした。




 じわりと浮かぶ涙を指で拭ったとき、声をかけられた。


「あのー。お兄さん、一人ですか?」


 見ると、そこにはおっぱいがあった。じゃなくて、たわわなおっぱいの谷間をあらわにした、セミロングの美少女がいた。一瞬、ブラとパンティという下着姿にも見える格好だが、ここは、外だ。水着だろう。いやしかし、水着というのは不思議だ。下着となんら変わらない格好でいることを許してくれる。


 なんて、ムラムラと考えていると、彼女は髪を耳にかけて微笑みながら言ってきた。



「良かったら、一緒に飲みませんか? 今、姉たちと三人で飲んでるんですけど、一番上の姉がかなり飲むんです。でも二番目の姉と私は下戸なんで、付き合えないんですよね。男の人なら、姉と最後まで飲めるんじゃないかと思って……」



 なんて甘美なお誘いなんだ。こんな可愛い三女なら、姉二人も美人だろう……。でもここで、ヘラヘラと行くと返事をしたら、スケベだと思われる。いや、事実そうなんだけど。



「あ……急に話しかけて、変な人だと思ってますよね……。すみません……」


「ち、違うんです! バ、バイクで来たので、泊まるとこあるかな、とか、色々考えちゃって……」


 声がうわずってしまった。きっとDTだとバレたに違いない。



「あ、泊まる場所決まってないなら良かったです! うち、民宿やってるんで、そのまま泊まってくださいよ」


 彼女は笑顔で言った。


 もしかして、営業だったのかな? でも、こんなおっぱい見せつけてくれるなら、いい営業だ。



「私は秋菜あきなって言います。よろしくお願いします」


 蒼真は秋菜に連れられて、姉たちのいるところに合流した。



♢♢♢



 三人はバーベキューをしていたようだった。


 一番上の姉は、春流はる。黒の水着のトップスに、デニムのホットパンツを履いていた。ビールの空き缶が何缶も転がっている。


 二番目の姉は、夏実なつみ。秋菜と同じく水着姿だ。フランクフルトやとうもろこしを焼いている。



「あ! 秋菜、ナンパ成功してるー! さすがFカップ♡」


 春流が秋菜の胸をもみもみする。


「ちょっと、外ではやめてよぉ」


 秋菜が恥ずかしそうに言う。家なら揉み放題なのか。どうなんだ。


「ちょうど焼けたとこなんで、どうぞ。何飲みます?」


 夏実がフランクフルトを紙皿にあげて、こちらに渡してきた。お礼を言いつつ、ビールをお願いする。




「ほんじゃ、イケメン男子も来たことだし乾杯しますか! 私たちの出会いに、OPPAI!」


 おっぱい? 乾杯のつもり? 春流はすでに酔ってるようだ。酒は好きだが、強いわけじゃない……ってとこだろうか。一息ついて、自己紹介をした。



「大学生なんだ。秋菜は大学一年生。夏実はもう社会人で21才。私は23才だよ」


 春流がハイボールに切り替えながら言った。

 こんな美人を三人も産んでくれて、お父さん、お母さん、ありがとうだ。



「なんでこんな辺鄙なとこに来たの?」


「え、あ、彼女にフラれたショックを癒しにきました……」


「え? そうなの? 可哀想! 秋菜、今彼氏募集中なの! どう?」


 どう?! い、いいですよ! すごく!


 秋菜の方に目をやると、フランクフルトを咥えるところだった。うっかり目が合ってしまい、秋菜は恥ずかしそうにして、フランクフルトを皿に戻そうとした。



「あ! 秋菜、ケチャップ落ちた」


 夏実が声をかけた。フランクフルトから溢れたケチャップが胸元に落ちて、谷間に吸い込まれていく。あのケチャップになりたい。



「あ、あぁ……拭くのある?」


 秋菜はウエットティッシュをもらうと、谷間に指を入れて拭き始めた。

 見たらダメな気がして目を逸らしてしまった。



「秋菜はね! こんなに可愛いのに、まだ彼氏がいたことないの! 蒼真君みたいな優しい子なら、お姉ちゃん応援しちゃうな!」


 春流が肩を組んできた。春流もDカップはあるだろう。

 秋菜のおっぱいは、まだ誰のものでもないのか……。無駄にホッとする。



「蒼真君は、なんでフラれちゃったんですか?」


 夏実が聞いた。


「えと……ネトラレまして……」


 春流がハイボールを吹いた。


「何ソレ! 詳しく教えて!」


 春流がおかわりのビールをもたせてくる。


「彼女がバイトの先輩とくっついちゃって……」


「へー! 何が勝敗の決め手なの?」


「……性生活の充実度ですかね……」


「セイセイカツ!」


 春流は爆笑した。


「おもしれーな、大学! 大学生って、そんなことばっかしてんの? だったらあたしもちゃんと勉強して、大学入れば良かったー!」


 春流はそう言って、ハイボールをがぶ飲みした。



「秋菜は純情だから、変な大学生に襲われないようにね」


 夏実が言った。ダイガクセイに変なイメージを持たせてしまった……。



「うん、だから、早く彼氏がほしいな、って思ってるんだけど……」


 秋菜は、お酒のせいかはわからないが、顔を赤くしてこちらを見ている。これは……脈ありというやつなんだろうか……。出会って、一時間くらいだけど……。



♢♢♢



 陽が傾いて来たので、民宿へ向かった。普段、民宿は、彼女たちの祖母と従業員で回しているらしいが、この三日間は民宿が休みで、彼女たちが使っているのだそうだ。

 

 広い畳の部屋に買い込んだお菓子と酒を広げた。

 酒は、ワインと日本酒、ウイスキーになり、春流はだいぶ出来上がっていて、蒼真もこれまでの人生で一番飲んだと言えるくらいだった。


 夏実は浴衣に、秋菜はパジャマに着替えた。こんな薄い布一枚の美女たちに囲まれるなんて、人生そうそうない話だろう。



「蒼真君は、好きになった人の趣味って受け入れられる?」


 夏実が言った。


「大丈夫だと思いますけど……」


「良かった! 秋菜、持ってきて!」


 秋菜はうなずくと、押し入れから大量のBL本を出してきた。視界がピンクい、ピンクいぞ。



「私たち、BLが好きなんだけど、そういう女子はどう?」


 夏実にそう言われて答えようとしたが、浴衣の胸元がゆるんでいるのが気になってしかたない。おっぱいがあれば、BL好きかどうかなんて些細なことだ。



「全然大丈夫です」


 できる限り平静を保って言った。



「じゃあ、これならどう?」


 夏実はスマホをタップした後、画面をこちらに見せてきた。ゲイ動画だった。



「いや! ちょっとこれはっ!!」


「……やっぱり、ゲイビまで来るとダメかしら……」


「ダ、ダメじゃないけど、俺にはちょっとレベルが高すぎるっていうか……」


 夏実さん、アレでアレしてるってこと? BL好き女子は三次元もイケるの?



「設定としては、相撲部、柔道部、アメフト部みたいな、ガッチリむっちりが好きです」


 そんな告白聞きたくなかったー!!



「わ、私は、モデル系綺麗目男子と、男の娘が好きです……」


 秋菜が控えめに言った。相対的にはアリに感じて来るのが怖い。



「べ、別にいいと思いますよ! うん!」


 そう返事をすると、二人はおすすめの漫画を差し出してきた。読んで感想を聞かせろと言う。


 1冊目はサラリーマンのドラマ的BLだった。いや、まあ、うん、エロメインじゃないからいいかな。

▼作品はコチラ▼

https://kakuyomu.jp/works/16817330667924127716/episodes/16817330667977844534


 2冊目は、少年たちが宇宙人に触手攻めに遭うやつで、ほぼ、エロシーンだ。なんだかこちらの尻も痛くなってくる。

▼作品はコチラ▼

https://kakuyomu.jp/works/16818093078402190005/episodes/16818093078402201797



「面白かったですか?」


「……あ、うん。みんな、幸せそうで良かったよ」


 なんだか酔いは醒めてしまった。




 すると、ムクリと春流が起き上がった。


「……お風呂入る」


 え?! 泥酔してたのに?!


「ダメだよお姉ちゃん! たくさんお酒飲んだんだから!」


 夏実がとめた。


「シャワーだけ浴びるわ」


「まあ、それならいいけど……。蒼真君、春流が倒れたら大変だから、一緒にお風呂入ってくれませんか? 私たちも行くので」


 ……え? 一緒……に、お風呂……??

 出会って、五時間くらいしか経ってませんけど……。


 わかりました、と返事をして、四人で浴場に向かった。



♢♢♢



 この民宿のお風呂は、五名程度入れる大きさの浴場だった。


 春流はさっさと脱いで入っていき、夏実も急いで春流のあとを追った。


 残された蒼真と秋菜は、脱衣所でもじもじしていた。



「あ、あの、すみません、姉たちが強引で……」


「いや、大丈夫だよ……。春流さんが倒れたら、ちゃんと運ぶから……」


「その時は、よろしくお願いします……。あ、蒼真さんの浴衣、取ってきますね! お風呂、先に入っていてください!」


 そう言って、秋菜は脱衣所を出た。

 秋菜が汗ばんだパジャマを脱ぐのを見れなかったのは残念だが、蒼真もさっさとシャワーを浴びて終わりにしようと服を脱ぎ、浴場に入った。


 すると、目の前に、泡だらけの春流と夏実がいて、夏実が春流を手で洗ってあげていた。夏実は、春流の脇をなでた後、胸を揉みしだいた。



「やだ♡ ちょっと夏実、いつの間に上手くなっちゃったの?」


「えー、夏実だって、いつまでも子どもじゃないんですぅ」


 二人はキャッキャウフフしている。

 蒼真は冷水のシャワーを浴びて、何ごともないかのように彼女たちに背を向けて湯船に入った。



「あん♡ ちょっと、やめて♡」


「お姉ちゃん、最近彼氏と別れて欲求不満なんでしょ」


「あっ♡ あっ♡ そうだけど、夏実で気持ち良くなったらヤバいじゃん。男がいらなくなっちゃう……」


「今日は蒼真君がいるから楽しみだね♡」


「あっ♡ んっ♡ コレはじゃあ前菜ってこと?」



 二人の会話とエロそうな音が浴場に響く。制欲拷問的Autonomous Sensory Meridian Responseだ。泣きたい。

 DTの蒼真は、ここで割り込んでいく勇気はなく、すごすごと脱衣所に逃げることにした。



♢♢♢



 ちょうど秋菜が浴衣を持ってきてくれたところだったので、着替えて、先に部屋に戻ることにした。


 部屋に入り、押し入れの布団を四人分敷いていく。


 お風呂に一緒に入るくらいだから、一緒の部屋でいいんだよな……。


 秋菜もお風呂に入ってくると言っていたが、今頃姉二人からどんな全身洗浄を受けてるんだろうか。


 悶々としながら、二人ずつ頭が中心に向くように布団を敷いた。


 三人がお風呂から戻ってきた。

 三人とも浴衣姿になっている。


「蒼真君ごめんね、気を遣わせちゃって」


 夏実が言った。あそこでの正解の行動って何だろう。


「布団、ありがとうございます」


 秋菜が湯上がりで頬を染めながら言う。


「お風呂でさっぱりしたし、さて、三次会といきますか!」


 春流は元気を取り戻し、号令(?)をかけた。


 夏実が天井の電気を消し、スタンドの橙色の灯りをつけて、間接照明にした。


 秋菜が、布団に寝てください、と言うので、蒼真は言われた通りにした。

 秋菜が横に座り、蒼真の浴衣の帯をほどく。

 あ、こっちが先に脱がされるスタイル?

 秋菜の小さな口と大きなおっぱいで、どんなめくるめく夜になるのだろうか……。


 春流が、頭の上の方に座り、蒼真の手を頭の上に持ってきて、浴衣の帯で縛り始めた。



「あ、え……縛っちゃうんですか……?」


「浴衣の帯は、縛るためにあるんだから♡」


 こんな、ちょっといじめられちゃう感じで行くんだ……。

 初体験がコレで今後大丈夫なんだろうか、そう思ったとき、春流が叫んだ。



「冬夜お兄ちゃーん! もういいよー!」


 トウヤ?


 すると、部屋の襖が開いて、男が出てきた。



「はじめまして、蒼真君。長男の冬夜です。妹たちと遊んでくれてありがとね。ここからは僕も頑張るから」


 美形の冬夜は、屈託の無い笑顔を見せた。



「はい! 蒼真君、今日は記念すべき処女喪失だよ! 今の気持ちは?」


 夏実がiPhoneで撮影しながら言ってくる。



「えええ、コレって、まさか、冬夜さんに、俺がヤられるってことですか??」


「想像を超えるサービスを提供するのが、この民宿のポリシーなの」


 春流が言った。

 サービス? 犯罪じゃなくて?



「大体のお客さんが目覚めて帰るんで、蒼真さんも大丈夫だと思いますよ」


 秋菜が慰めてくる。



「じゃあ、蒼真君、改めてよろしく。始めるね♡」


 と、冬夜がそう言って、そっと体に触れてきた。



♢♢♢



((((;゚Д゚)))))))


( ´Д`)


_| ̄|○


( ;∀;)


_(┐「ε:)_


_:(´ཀ`」 ∠):


。゚(゚´ω`゚)゚。



♢♢♢



 翌朝……


 いかにも旅館の美味しいご飯が出て、五人で食卓を囲んだ。


 蒼真はDTのステータスは変わらず、バージンを卒業した。



 バイクにまたがると、尻が痛い。一体、あの一夜は何だったんだろう。


 笑顔で手を振る四人に、軽く手を上げて挨拶をし、バイクを走らせた。



 これが、人生で一番怖かった体験かもしれない。

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