仕舞い込んでいた時計の針が、再び鼓動を響かせた
- ★★★ Excellent!!!
滴る汗
水桶に冷やされた大きなスイカ
蝉の声響く、小道の木陰
逃げ水──
これらは作中語られてはいません
そんな文字は必要ないのです
作品から感じる息吹を浴びて
私の脳裏に描かれた情景には、
それらが鮮やかに映し出されています
ふと、舞い戻ったふるさとの大気の下で
不意に再会した、男の子と女の子
あの頃とは違う匂いと、
変わらない面影
動き出した時計の針は
まだ錆び付いてはいないみたいですよ