このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(172文字)
すごく「夏」そして「子供時代」を感じます。私も子供の時には『肝試し』をしたものです。その時の思い出と共に季節をも感じさせ、怖い想いとのアバンチュール❤小野塚さん節の「風情」がありつつも、しかし正統派なお話です。
本作の作者は、個人的な印象に過ぎないかも知れませんが、言葉遣い、言い回し、そして漢字表現に特にこだわりを持った、独特の作風で様々な作品を描いてこられました。本作では一転、平易な語り口で一貫して物語を綴られています。しかし作品の底流にあるのは、あくまでも正統派ホラー。作者の新境地とも呼べる作風を、楽しんでみてはいかがでしょうか。