第二話 約束
僕がねねさんと出会って約半年が過ぎた 2019年 7月16日
母は天国かそれかまた別か、わからないが旅立った
僕は泣かなかったいや、泣けなかった
ねね「お母さんはどんな人だったの?」
勇輝「...母は...優しくて、強くて、立派すぎて敵わない人でした」
ねね「いいお母さんだったんだね」
勇輝「...はい、たった一人の母でした」
僕はその時、ある約束を思い出した
2010年頃
母「ゆーちゃんは大きくなったら何になりたいの?!」
勇輝「おいしゃさん!」
母「ほんとー?!、じゃ弱い人を守るヒーローだね!」
勇輝「うん!!おおきくなったらおかあさんまもる!」
母「頼りにしてるわ!」
勇輝「結局は守れなかった...何もできなかった」
勇輝「今はただ、人混みの中で雨に打たれながら立ち尽くすしか...」
ねね「きっと守っていたよ、」
勇輝「そんなの...根拠なんてないじゃないか!!」
そう怒鳴って僕は人目のつかない場所へ逃げ込んだ
勇輝「わかっているんだよ、人は病には勝てない...」
勇輝「わかっていたはずなんだ、でも...受け入れられないんだ...」
僕は空から降ってくる雨と涙で服がびしょびしょだった
ガチャッ、となにかが開く音がした
ねね「やっぱりここか、」
勇輝「なんだよ...」
ねね「さっきはごめんね」
勇輝「...(なんで謝るんだよ、君は悪くない)」
ねね「でも私が本当に言いたかったのは!!」
「最後まで頑張る、ゆうきくんを見て安心してたんじゃないかなって」
「きっと知らないうちにお母さんを守っていたんだよ」
勇輝「...!」
僕は言葉が出なかった、ただグスンっという音と
綺麗なリズムの雨でその場がオーケストラのようだった
勇輝「...おかぁさん...もう一度...もう一度会いたいよ...」
ねね「私さ、いつか手術すると思うんだ」
勇輝「...うん...」
ねね「だからさ、立派な医者になって私を助けてよ、」
勇輝「わかってる、もう誰も失わせない」
私はそれから高校を無事卒業、医学部を卒業し医者となった
勇輝「大丈夫ですか??、」
???「は、はい!!」
私は道端に倒れていた30代の女性を発見し
私が務める県立高校に運ばせた
勇輝「お名前は?」
???「岩崎 願々です」
勇輝「...!」
勇輝「わかりました、えーと悪性新生物を患っていますね?」
ねね「どうして、それを?!」
勇輝「ねねさん、お久しぶりです」
僕と透明な雨 三毛犬 @Longe
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