あなたの携帯が鳴る度に
@wanwanwan123
あなたの携帯がなる度
おはよう
おっ おはよう 今日は曇りだな せっかくの休みだっていうのに 1日ごろ寝かな まあ それもいいか
好きにしたらいいじゃないと私は思った
今 目玉焼き焼くけど 1つにする2つにする?
目玉焼き だろ 俺の目玉は2つだから 卵も2つに決まってる
その言葉を聞き 多少ムカつく 何が決まっているのだろうか
そう思いながら 私はフライパンに油を垂らした
もし今 私が あなた 不倫 をしているのね と聞いたら当たり前だろと答えるのだろうか
潔く
おはようと また今日も1日が始まる
昨日 とは違って 今日は最高の太陽が出ている
そろそろ出かけるかなと彼が玄関に向かい
私もその後をついていく
いってらっしゃい
行ってきます
そこで私は思う あなたは一体どこへ行くのだろうかと
職場へと 行くんだろうけど その後はどこへやら
あー こういう思いはやめよう 自分が卑しくなっていく
ちゃんと分かっているけど
どうしても心の中でつぶやいてしまう
ダメな私
じゃあ 別れればいいのにと みんなは言うけど
でも私にはどうしてもそうできない秘密の理由があるから
おかえりなさい
ただいま
いつもの夜が訪れる
今日も遅かったのね
あー今日もまた残業だよ
そんなくだらない 偽りの会話
携帯電話 なんてその辺に置きっぱなしだった あなたが 今ではもう 肌身 離さず持っている
お風呂に入ってくるわと 彼は 浴室に向かう
脱衣かご の中には 携帯電話 が置かれてある
それも かごの 一番下に
そして何度も何度も カゴが揺れる
そう 彼女からの 着信で
夕飯が終わり 彼が お盆 またうちの実家に行くけど予定 大丈夫か と私に尋ねてきた
いつものことだから 大丈夫よ と答えた
不倫をしている彼の実家へ なんて行きたくもない
普通なら そう思うに違いないけど
でも私は違う 早く 行きたい
彼の姉に 逢えるから
たくさん おしゃべり ができるから
そして、、、、、
何日かたち
予定通り 私と彼は彼の実家に到着した
彼の実家は小さな 旅館を経営している
当然ながら 今日は1日 クローズだ
皆に挨拶を済まし 夜の支度に取りかかる
台所は 賑やかだった
たくさんの人たちがいたけれど 私はすぐに彼女の顔を見つけることができた
目と目が合い 軽く微笑む
それだけで私の胸はとても暖かくなる
賑やかな リビングからの声
ビールの追加を頼むと 彼の声
はい ただいまっと 元気よく私は返事をする
不倫をしてる彼にも 今日は素直になれる自分がいた
外では子供たちの楽しそうな笑い声
そんな声にも素直に可愛らしさを感じることができた
妊娠することができない自分の体を 何度 悲しんで 恨んで 泣いたことだろう
子供さえいれば 彼も不倫をしなかったのかもしれない
その確率も決して0ではないだろう
そう思って自分を責めたことも 幾度もあった
彼は本当は子供が欲しかったのを知っているから
幸いにも 妊娠できない 体のことを 責められたことは一度もない
もちろんそんなことで奥さんを責めるなんて最低だとは思うが 世の中そういう旦那だっているだろう
あっという間に時間は過ぎ なんやかんやで 夜の晩餐も終盤を迎えた
外ではカエルが 合掌していた 台所で洗い物をしながら その 雑な鳴き声を 聞いていた
お義母さんは 腰が痛いからと早くに寝室に 上がって行った
お姉さんは まだ リビングでお酒を飲んでいる
こんなにたくさん洗い物があるのに !そう思い 私は少し 腹が立っていた 蛇口の水を勢いよく出した その瞬間 パーンと 背中を叩かれ 飛び上がった
えっなな 何 びっくりした、、、お姉さん!
何がお姉さんよっ! しっかり働いていましたか!
皆さんもう上に 上がったんですか?
はーいっ 私がそのように仕向けました だから 機嫌直してよ 怒ってるんでしょう
すぐ顔に出るんだから あんたは!
雅紀 のブルブル 携帯も蹴飛ばしてやりゃあいいのに
お姉さん 声が大きいですよ
はいはい 洗い物はその辺にして私たちも上に行くよっ
廊下にある時計は もう23時過ぎていた
いいの この部屋 使っても?
あらら 急にタメ語になったわね
もうっ!
まーたぁ怒るんだから…はいはい どうぞどうぞ
とりあえず 窓際のテーブルに座ろう
ビールカクテル ワイン 何を飲む?
おつまみは何にする?
私でいいか なーんて ねっ…
ん? また怒ったのかなぁ...
もうふざけないでよ そんなのいらないから早く布団に入りたい
そう そうする 分かった じゃあこっちにおいで
何を偉そうに
偉いのよ 私は年上なんだから
で 雅紀の不倫 どうするの
離婚はしない
どうして?
このままで いると 義理の妹 そして 恋人で いられるから
妹? 恋人だけ じゃダメなの?
もしも別れたとしても 義理の妹とは 会う時が必ずあるでしょう もしもの時の保険だよ
なるほどね 用意周到ね
さぁ雅紀の悪口でも話す?
それとも私たちの愛について語り合う ?
エッチするのに言葉なんていらないよ
随分 生意気な妹だこと
妹 呼ばわりされて 思わず 足をバタつかせた
布団の中だからうまく動かないけど なんだか それが楽しかった
彼女の体と私の 華奢な体が 触れ合うたびに幸せを感じていた
そしてそのままもっと深く 私たちは交わった
お盆も終わり いつもの日々が戻ってきた
相変わらず私のお尻のポケットで携帯がブルブルと震えている
彼女が私のお尻をいたずらしているみたいに
その度に 私はほっとする
私だって愛されているのだと
それにしても本当に甘えん坊のお姉さん、、、会ったばかりだというのに。。。
そして雅紀は今夜も まだ帰ってこない...
うん それでも大丈夫。
雅紀聞こえる? まだ愛してる。
つぶやく私。
誰にも聞こえないから 大丈夫。
だって貴方は お姉さんに似ているから
あなたの携帯が鳴る度に @wanwanwan123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます