第7話 中年サラリーマンのリベンジ その①
「愛ちゃん、いっしょに遊ぼ?」
「ねえ、いいでしょ?」
愛ちゃんは俺に気を使っているのか、どうしようか悩んでいる。
愛ちゃんは俺の顔をみた。
「いいよ、みんなで遊ぼうよ。公園行こうよ」
愛ちゃんは助かったようなほっとしたような笑顔でうなづいた。
「ありがとう!何して遊ぶ?」
「おにいちゃんも同じ幼稚園?」
前回はしぶしぶオッケーしてこの子たちには無視され続けられたけど、
今回は懐いている。この選択は成功だった。
ショートカットのボーイッシュで愛ちゃんとほぼ同じくらいの身長の子が「ようこちゃん」、小柄で三つ編みの子が「ひかるちゃん」という名前だった。
公園についた4人は鬼ごっこを始めた。ここは年上らしくようこちゃんとひかるちゃんからある程度逃げて捕まて、ある程度逃げさせてから捕まえる。愛ちゃんと俺は
結局は2人のお守りのようであったが、それなりに楽しんでいた。
かれこれ30分ぐらい遊んだろうか。一回みんなで休憩することになった。
ようこちゃんもひかるちゃんも大分満足している。
俺もお姉ちゃんとして2人を面倒をみる愛ちゃんが新鮮に見えた。
「女の子ばかりでつまらない?」
愛ちゃんがぼそっと口にした。そんな風に見えていたのか?俺は俺で楽しかったんだけど。
「そんなことないよ!楽しいよ!もう一回やろうよ!」
「やろう、やろう!!」
「お兄ちゃん鬼ね!!」
「じゃあ、逃げて!!」
この幸福感、なんだろう。これが正解だったのだ。別に女の子と遊ぶことを気にすることはないし、小さい子の面倒を見るのも俺的にはありだった。
この展開はなかった。あの時もこうしておけば良かったのだろう。
でもさっきの休憩は記憶にない。そうだ、鬼ごっこ始めてすぐに「クドケン」たちが来たんだった。「クドケン」たちはいつ来るのか?
それともこのまま現れないのか?ようこちゃんひかるちゃんへの返事を変えただけで
こうまで変わるものなのか?
単純に過去へ戻ったわけではないと思い始めていた。
俺の盆はよくひっくり返る おちみちお @sakuramatsuramaru
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