AIサピエンス

ぴくもん(kiku)

第1話 始まり

 2◯0※年、地球上の人類は

昔からの生身の肉体を重んじるカーネス・ホモ・サピエンスと

生身の肉体を捨て、コンピューターに委ねるAI・ホモ・サピエンスとに

二分されつつあった


「じゃあ、行って来るよ。お母さん。」


ミホトは家を出た。


 外の空気は冷たい。家電店のガラス窓から、天気予報が流れている。『東京の明日の最高気温は2度、最低気温はマイナス14度。』AIロボットの気象予報士がそう告げると、AI・ホモ・サピエンスのアナウンサーが、『AIの体を持っていないかたにとっては、寒さが厳しいかも知れませんね。』と伝えている。


 近年、この地球上では、エネルギーの枯渇問題や核廃棄物問題は、半ば解決しつつある。日本を中心に新たなエネルギー開発、核開発に励んだからである。21世紀に開発された、新ウラン(燃料)利用法※である。


 真が、通りに面した

酒と肴の店「きらく」

という店に入った。カウンター越しに

「おじさん、柚子酒、ロックで」



※新ウラン(燃料)利用法

ウラン燃料を燃やさず一旦冷却、冷凍し、それが解けてくる時に発生するエネルギーを利用して発電を行う。という方法で、この方法だと同じウラン燃料を何度も利用する事が出来る。よって放射性物質も最小限に抑えられる上に、核のゴミも出無い。

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