第4話
「……ちゃん? 健ちゃんてば!」
「あ……あれ? 俺今何して……」
気づけば、目の前のテーブルには、琴子と一緒に作った料理と、琴子が買ってきてくれたケーキが並んでいる。
「なんか今、ものっそい幸せな夢を見てた気がする」
「やだもう健ちゃん、起きたまま夢見てたの?」
呆れたように健を見る琴子。
「うん」
「ねぇ、どんな夢?」
「うん……」
琴子の肩を抱き寄せながら、健は言った。
「なんかね。琴ちゃんと俺がずっと一緒にいられる夢」
「……嬉しい」
うっとりとした顔で目を閉じ、琴子は健の肩に頭を預ける。
「20歳のお誕生日おめでとう、健ちゃん」
「ありがと、琴ちゃん」
琴子の頭を優しくなでながら、健は小さく呟いた。
「彦星と織姫も、ちゃんと会えて幸せになれるといいな」
目を閉じたままの琴子が、小さく微笑んだ。
【終】
七夕の約束 平 遊 @taira_yuu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます