あとで 🧩

上月くるを

あとで 🧩



八月やわたしはあとでいいのです

さらさらの空さらさらの水澄めり


朝霧や星は球なり地図は面

新涼や鸚鵡は鳥の声で鳴く


都会の子湯屋に来てゐる盂蘭盆会

そつくりな父子四人見て残暑かな


秋暑しマックに頼む水一杯

秋暑し饒舌マシンなほ暑し


少年の少し大人び夏深し

鉄棒の高さの嶺や晩夏光


三伏や山巓いよよとがり来る

八合目ここが我慢の残暑かな


人形のぞんぐわいおもき夕端居

揚羽蝶けふも来てゐる狭庭かな


白黒をつけぬ身すぎや涼新

初秋の小橋の下の暗渠かな


街路樹や青松虫のこゑしぐれ

夕星のひかり涼しく花とべら


邯鄲の月に愛されすきとほる

猪牙舟の御高祖頭巾や夜の秋




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