児童書では王道のオカルトジャンルの作品でこの発想はなかった。比較的カジュアルに描かれがちな霊感や怪異といった要素に正面から向き合って深いテーマ性に繋がっている。何より感心したのが、怪異体験できる謎の施設や作中の体験がちゃんと「怖い」という点。子供向けらしいハートフルな展開にこそなるものの、結局この施設はなんだったんだろうと考え出すとゾッとしてしまう。他の作品にはない絶妙な不気味さを持ちつつ、互いにわかりあうことの尊さにも触れることができる唯一無二の作品です!