迷いの霊園

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34歳 医療関係者 男性の書き込み

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夏のある日、たまには祖父のお墓参りにでも行こうとふと思い立ち、祖父の好きだった缶コーヒーを購入し、お墓の場所をカーナビにセットして出発しました。


何度も行ったことがあったので大体は覚えていたはずなのですが、住所の場所に着くとなぜかただの草むらが広がるばかりで、霊園が見当たりませんでした。


スマホで確認してもこの辺りで間違いないはずなのですが、やはり近くにお墓の一つも見当たりません。


私は母に電話をして、改めて霊園の住所を確認してみました。


母から送られてきた住所をみると、やはりナビにセットした住所で間違いありません。


私はどうしようもなく、周辺を車でぐるぐると走り回りました。



しかしいくら走っても霊園は見つかりません。


そのまま1時間近く迷って、さすがに疲れてしまった私は、仕方なく帰ることにしました。




翌日、ニュースを見て驚きました。昨日とある霊園の前で殺人事件があったと報じられていたのです。


その霊園は祖父の眠る場所、時刻は丁度私が迷っていた頃でした。



あのまま一人でふらっと霊園を見つけられていたら、もしかしたら自分も殺人事件に巻き込まれていたかもしれない。そう思うと急に怖くなってしまいました。



もしかしたら祖父が守ってくれたのかもしれないと思い、その場で手を合わせて感謝をしました。


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