pt4~高山ラーメンは恋の味

飛騨高山の一角には少ないながらラブホテルが林立していた。亜樹はラブホテルをスマホで予約してから、合掌造りの集落や高山の町屋群を散策した。

「混浴の温泉あったら入りたいよね♡」

亜樹は言った。

しかしながら高山から平湯温泉までは山道を90分行かないと辿り着かない。二人はとりあえず雑貨屋さんや町屋カフェを散策した。

見つけたカフェはコーヒーとトーストが看板商品だった。トーストの他にタコライスもあった。弘は亜樹にランチセットを奢った。ランチセットはタコスとミルクコーヒーだった。

  「このタコス美味しいな」

「美味しいよね!」

  「今日は来れて良かったよな。天気も良いし」

「後で橋の前で写真撮ろ♡」

  「おう。インスタにも載せちゃいなよ」

「やな。大きいカメラでも撮ろ!」

  「お腹いっぱいになった?」

「美味しかったけどまだいけるかな」

  「ラーメンでも食べる?」

「いいね! 高山ラーメンも!」

時刻は14時だった。ラーメン屋は大抵14時半がラストオーダーで、そのあと夕方まで開店しない。ラーメン瓢箪小町は人気ラーメン店だ。瓢箪小町の名物は醤油ラーメン。オーソドックスな高山ラーメンだが一度食べると虜になる一品だ。

弘は勢いよくラーメンをすする。

「うめえ!」

  「あっさりしてていいよね」

「何杯でも食べれる」

  「確かに」

ラーメンを食べ終えた2人は市営観光駐車場に戻り、ラブホ街へ車を走らせた。

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苦境少年~touch off~ 南条足時 @nanjovel3

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