第39話 3人の王子
「……で、フランはここに来た。」
「フランが暗いお部屋に?」
ジャレッドとはフランよりも親しくなれた気がする。ジャレッドの話は面白くて、どこかあたしと距離があるフランとは違うからか、夢中になれる。
もうすぐで王国に3ヶ月間だけ帰る予定だから、最後にお友達が出来て良かった。帰ったら、皆にたくさんアムアのお話聞かせてあげないと!
「……すっかり仲が良くなったんだね。ジャレッド、オルラちゃん。」
「はい!ジャレッドと夢中で話せるようになって、たくさんジャレッドのプロフィールを知ることが出来ました!」
「そっか。」
フランは笑みを作りながら軽い返事をした。どことなく不気味で怖い。いつものフランと違って、瞳に光が少ない気が……。
-------❁ ❁ ❁-----------❁ ❁ ❁-------
一方その頃、フェートン王室にて
「あーあ、早く帰ってこないかなぁ。僕の可愛いオルラ。」
「あと1ヶ月もすれば帰ってくるはずだ。」
「長いよ!1年はたった12ヶ月しかないのにそのうち半年もあっちに居ることになるじゃん!」
王子3人が会議中に家臣達がいる目の前でアムアに対する愚痴を言っていた。
国王が席を外している今、この中で一番偉い人物は間違いなく第1王子の『マキシミリアン』、第2王子の『コーディ』、第3王子の『ヴィヴィアン』だ。
その所為か家臣達は、常に王子達の機嫌を伺っている。
「そういえば、アムアって大陸から子どもを連れて行くよなぁ。曾祖母様の家、クラウス侯爵家の令息や、シトリン大公家の令息も連れて行かれたとか〜。」
「えぇ!?誘拐じゃん!そんなところに可愛い僕のオルラを行かせちゃったなんて、帰ってきたら謝らないと〜。」
わざとらしくチラチラと家臣達を横目でみつめた。共感させて、オルラをアムアに帰らせない作戦だ。
「……そうですよね!フランクリン殿やドリュー殿では飽き足らず、王族にまで手を出すとは!信じられないほど腐った連中でございます!!」
「そんなヤツらには、必ず女神が罰を与えてくださるでしょう!」
「あぁ!早くお会いしたいでございます!!フェートン王国の天使、オルラ王女様!!」
家臣達が王子の意見に賛同し、オルラを称えると、王子3人の機嫌は最高レベルにまで達した。
3人は柔らかい頬を赤く染め、ロリを見るような目で天井を見つめ、ニンマリと笑った。
その顔は実に不気味で恐ろしく、そしてこれまでにないほどカッコ悪くて気持ち悪かった。
「「オルラァァァァァ!!!!」」
王子3人は城全体に聞こえるくらい大きな声で叫んだ。
大魔法師の弟子は魔法使いになって王国の滅亡を回避する。 菜乃みう @miunano
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。大魔法師の弟子は魔法使いになって王国の滅亡を回避する。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます