第2章 謎のデスゲーム第1ステージ

第1話『謎のデスゲームのお知らせ』


5月下旬。

俺は自室の机で大学のレポートを『パソコン型グリモワール』である『パソグリ』で作っている最中であった。

置き時計をチラッと見る。夜の9時頃。

レポートがもう少しで出来上がりそうである。俺は『パソグリ』の側に置いてある、麦茶を飲み、喉の渇きを潤す。

突然だが、俺の眼前に、画面が映った。


「ん?」


『こんばんは! ダイ様! 夜分に申し訳ありませんが、お知らせしたい事があるので、お話しても、よろしいでしょうか?』

女性の声に合わせて、メッセージが表示された。

知らない声だ。迷惑メールか?


「誰だ? 貴様は?」

『わたしの名は、神絵田と申します。ゲームを管理者の1人です。ダイ様に重要なお知らせを伝えるため、メッセージを送らせてもらいました』


ゲームか。いろんなゲームをやりすぎて、どのゲームなのかはわかない。


「何のゲームだ?」

『日本を舞台に、日本に住む方、全員参加の堀堀♂デスゲームです』

「何だそれは? 俺はそんなゲームやってないぞ?」


堀堀♂デスゲームとは何だ?


『ゲーム機やパソコンでやるゲームではなく、現実世界で、実際に始まる堀堀♂リアルデスゲームです』


こいつ、何を言っているんだ? 新手の詐欺か?

俺はこの連絡を魔術で絶とうとしたが、止めた。俺の勘が切るべきじゃないとシグナルを感じる。


『このゲームに参加し、クリアすれば。多額の賞金に、素晴らしい報酬が手に入ります』

「ほお、それで?」

『ダイ様は、退屈がお嫌いで。このデスゲームに参加し、プレイヤーとなれば、エキサイティングでスリルのある生活を送る事ができます』


俺が退屈が嫌いだと、よく知っているな。どこで、その情報を手に入れたんだ?


「堀堀♂デスゲームとは何だ?」

『そうですね。地下世界に住む、好色の大悪魔であるホーモ様が軍勢が地上世界に進軍します』

「何だと!!」

『すでに、東京はホーモ様の支配下に置かれています』

「まさか、そんな……」


俺の苦手な悪魔ランキングトップ2である。ホーモが、東京を支配しただと!


「どういうことだ!! 詳しく教えろ!!」

『大悪魔であるホーモ様は、地上世界をバラ色にしたいという願望があります。ですが、ホーム様の魔術を人間達にかけるには、恐怖や憎悪などのネガティブなエネルギーが必要なのです。そのため、堀堀♂デスゲームを開催するとの事です』


「意味不明だ」

『大魔王様も油断すれば掘♂られます』

「もっと詳しく教えてくれ」

『堀堀♂デスゲームでは、好色悪魔が男性を掘りに行きます。倒すのもよし、逆にお堀になるもよし。自由です。第1ゲームに関する、詳しい内容は話せませんが。期待してください』

「……いつ、始まるのか?」

『6月1日でございます』

「もうすぐじゃないか。本当に始まるのか?」

『始まりますよ。ダイ様が信じる信じない関係なく、スタートします』

「一つ質問してもいいか?」

『何でしょう?』

「ゲーム開始しても、貴様と、こうやって話せるか?」

『もちろんです。わたしもダイ様ともっとお話したいです』

「わかった。では、よろしくな」

『はい、こちらこそ。よろしくお願いします』


声もメッセージもプツンと消え。まるで、何事もなかったように。

部屋はいつもの静寂さに戻った。

学生生活も楽しいが、ちょっとモノ足りなかった。

堀堀♂デスゲームは、内容はアレだが。ちょっと、面白そうだ。

ま、新手の詐欺やイタズラだろう。

俺の事を知った上での犯行なので、命知らずにも、ほどがある。まあ、エレナ達に話す話題になるがな。



次の日。朝食の時間。

俺は、エレナとディアナに昨日の出来事を話す。


「そんな事が、あったんですね!」


エレナは驚き、箸を床に落としそうになったが、キャッチする。

良い反射神経だ。


「堀堀♂デスゲームですか、かなり怪しいですね」


ディアナは、真剣な表情で俺の話を聞く。

そう、ディアナはエレナの許可をいただき、はれて俺の愛人となった。

エレナよ、よく、承諾したな。


「俺の勘だが、堀堀♂デスゲームが始まるような気がするんだ」

「そうですね。ダイ様を大魔王だと知った上で、騙すなんて、ありえなないと思います。もしかしたら、本当に堀堀♂デスゲームは始まる可能性は高いかと、私は考えます」

「私も同意見です。主様を騙す行為は、命知らずの狂人か底抜けの愚か者としか、考えられません」

「だよな。俺もそう思う」


彼女達はいがいと、信じるみたいだな。

堀堀♂デスゲームが始まれば、命の危険があるかもしれない。それに、掘られてしまうかもしれない。

女性も対象になるかは、わからないが、俺は彼女達を守りきらなければ、ならない。

自信はあるが、まったく不安がないわけじゃない。

俺は最強だ。だが、まわりはそうじゃない。

簡単に、お亡くなりなったり、掘られてしまう。

だからといって、諦めるわけじゃない。

俺は俺なりに守ればいい。



俺は大学で、三津郎と陽菜知歌にも、昨日の出来事を話す。


「マジかよ!? 堀堀♂デスゲームが始まるのか??」


三津郎は驚き、大声を上げる。おい、唾がすごい飛んできたぞ。


「いや、新手の詐欺かイタズラメールだろ」


俺はそう言いながら、ポケットからハンカチを取り出し、顔を拭く。


「堀堀♂デスゲームかぁ、それって、ヤバいね。特に男性とか?」


陽菜知歌は興味津々に話に加わる。


「もしもさ、堀堀♂デスゲームが始まったら、どうする?」

「そうだな。とりあえず、身近な存在を守るようにする」

「家族とかか?」

「家族か……」


俺の親も兄弟、嫁も亡くなっている。


「すまない、そこは触れるべきじゃなかったか?」


三津郎は俺の態度で察したのか、申し訳なそうに謝る。


「いや、大丈夫だ」

「そっか……」


気まずい空気になったが。隣のディアナがこちらに向き。


「あの、ダイさ……さん」


いつも主様と呼ぶので、さんづけは、言いにくいようだ。


「ん? 何だ? ディアナ」

「わたしはダイさんをお守りします。なので頼ってください。ダイさんの方が強いですけど」

「ありがとう、ディアナ」


そうだ、彼女は強い女だ。恋愛になると精神的に弱いが、戦闘になると忍耐強く勇敢である。


「いいよな~、ダイは。ディアナさんとかエレナ先生がいて」

「わたしも羨ましいよ~。誰かわたしを守ってくれるカッコイイ人いないかな?」

「陽菜知歌に? いないだろ。そんな奴」

「ひっ、ど~い!! そんな事、言わなくてもいいじゃん!! 三津郎はフツメンの癖に~!!」

「フツメンで悪かったな!!」


三津郎と陽菜知歌の夫婦漫才を眺め、俺は思う。

お前らも、守ってやるぞ。なぜなら、身近の存在で友人だからな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大魔王様、とにかく女性とイチャコラしたい! ~謎のデスゲームが始まる~ ココ異世界 @kokoisekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ