まくら(頭文字)の文字に添って言葉を折り込む言葉遊びを用いた詩集『アクロスティック・ユニバース』の中で特にお気に入りなのが「ばあちゃんの記憶」連作で、まるで自分の記憶の中にある大切な瞬間を掘り起こすような詩でした。おばあちゃんの温かさと、記憶が薄れていく切なさが心に深く染み渡り、家族の大切さを改めて感じさせてくれました。特に最後の4作目の詩が、幼い頃の自分が感じた不安と悲しみを鮮明に思い出させ、胸がぎゅっと締め付けられるような感覚になりました。