第8話 期待

「なんでだ、なんでこうなるんだ...」


教室に帰った後、頭を抱えて机に突っ伏している美少女。

葵と別れた後の出来事に頭を悩ませていたため、午後の授業は全く頭に入ってこなかった。



何故か急に、葵が不機嫌(?)になったと思ったから、早めに逃げてきたんだが...

いつもより足を速く動かしながら後ろ振り返る...後を追ってこないし気のせいかな?

とりあえず、怒られるようなことは無いと安堵していると...


「う゛っ...」


何かに当たり、尻餅をつく。

痛ってぇ...


「大丈夫?」


どうやら人とぶつかったらしい、相手は心配そうな声で聞いてきてくれている。

すみません、こっちが前見て歩いてただけなのに...ってなんだこの爽やかイケメン


「あ、いえ...すみません」


立ち上がった後、とりあえず謝っておく、最初に謝ることで大きな面倒ごとにはならないはずだが...相手の男は、俺が謝ったことに驚いたのか目を丸くしていた。


「えっと...これからは気を付けます。それでは...」

「あ、ちょっと待って」

「...ナンパですか?」


驚いた後、何度も浴びたことのある、期待しているしているような目で見られたので少し怖くなり教室に戻ろうとしたのだが...呼び止められた。


どっかで見たことあるような気がしなくはないが、イケメンには嫉妬と妬みの気持ちが大きくて記憶から抹消しちゃうんだよね。


「ふふっ...ナンパじゃないから安心してくれると嬉しいな...w」


なんかつぼっている...そう思っていると周りに人が集まってきていることに気づく。


「実は...」

「生徒会長!今日中に終わらせるって言ってたのに、なんでこんなところで、喋ってるんですか!」


男が何か喋ろうとしていたが、女子生徒がいきなり割り込んできて、爽やかイケメンの腕を掴んで引っ張っている、が動かせていない。

というか...


「え...生徒会長?」

「そうそう、見かけない生徒がいたからつい気になってね。」


そういえば生徒会長ってこんな感じだったな...雲の上の存在過ぎて忘れてた。

生徒会とかだと転入生の存在を認知してそうだが、そうでもなかったらしい。


「...あ、お仕事頑張ってください?」

「ははっ、かわいい子から言われると嬉しいね。」


うん...心は俺のままっぽいな、こんなイケメンから言われても全く嬉しくないや。

っていうか貴方の腕にいる人とか、周りの人の中から殺意のようなものが飛んできてるんですけど...


「ところでなんだけど、生徒会に興味とかある?」


『生徒会長が誘った!?』『生徒会の試験をしてないのに...』

その発言に周りの人たちがどよめいている。


「いえ、特には...それじゃあ、急いでるので!!」


俺はそう言って教室に向かってダッシュした。

生徒会長が何か言っているような気がする...聞こえていないです、知らないです。


友達がいて、楽しくてな生活ができればいいんだ...めんどそうな生徒会に興味などない!



息を少し切らせながら、教室に帰ってきた俺は、自分の席に座ろうとしたところで、机の上に封筒が置いてあることに気づく。

封筒の裏に何か書いてあるけど...


「ひっ...」


そこには黒ペンで書かれた『生徒会長より』という文字があった。


怖いぃぃぃぃ、どうやってこの時間で書いて俺の机の上に置けるんだよ!

下手なホラーよりよっぽど怖いんだが!?


手紙の内容は明日の放課後、生徒会室に来てほしいという内容...


どうして、どうしてなんだ...

なんでこの学校で一番めんどそうな人にぶつかってしまったんだぁ...


自分の不運さを呪いながら午後の授業をぼーっと聞き、ホームルームが終わった後、クラスメイトへの挨拶もほどほどに帰路についていた。




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女になったら妹との距離がバグった件 トレン @torenn

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