クイズ
「ねぇ、あなた……知らないでしょ?」
幽香!?
この女、だいぶヤバいから、突っかからなくていいよ!
初対面でいきなりディープキスするやつだから
「うん、知らないこといっぱいある、最後に会ったの5年前だから……」
5年前……?
確かにボクの記憶には5年前の出来事なんてほとんどないな……
だからもしコイツと出会ってても覚えてない可能性も大いにある
「それじゃあ、ちょっとした変態有名人のあなたにクイズ!」
クイズ……?
幽香はいったい何を考えて……
「彼は今年の3月19日まで、何をしていたでしょうか?」
幽香……?
まさか……
うん、だったら、あのことを伝えることはなさそうだね
「彼のこと大好きなあなたなら、もちろんわかるはずだよね?」
幽香は圧をかける
もちろん、ボクは覚えている、いや、忘れることなんてできない出来事だよ
だけどこの女に教えるつもりなどない
幽香は、知ってたんだ……
「えぇっと……」
「まさか知らないんですか?なら、人違いって正直に認めちゃってくださいよ」
「ごめん……テニスに没頭して、夢中になってた時期だから……」
幽香いいぞ!
頑張れ!
よし!この調子ならボクの秘密は守られつつ、なおかつこの女とボクを引き離すことができる!
まるで最高じゃないか!
まぁ、反対の展開になったら最悪だけど……
「ごめん、今すぐには無理だけど、わかったら言うね」
「……わかりました、彼の正体がわかるまで、彼とのアクションは控えてください」
「……わかった……」
「────ですよね?」
「はぁ……ここで嘘つく必要ないから、正直に話すかぁ……そうだよ、キミの読み通りだよ、にしてもよくわかったね」
「えへっ」
いやえへじゃないよ……
はぁ、さすがにバラしてほしくないからバラさないでってお願いしたら約束してくれたけど
う〜ん、ボクってそんなわかりやすかったかな?
とりあえずボクは鏡の前に立つ
昔の印象とか上手く消せたはずだけど……
「……もう、確かに見た目は変わったよ?でも雰囲気とか、声とか、すっごい似てるからさ」
……そうかもしれないね
いくら見た目は変わっても、中身の人間は変わってないのだから
雰囲気とか似ててもおかしくない
「にしても顔整いすぎ……」
「そう?ボク一応ずっと手入れしているから……」
「芸能科の人とすり替わっても遜色ないレベルだよ……」
ま、まぁボクならそれくらいの顔でいて当たり前?とか?
……まぁ顔がいいってあの時何回も何回も言われてたし、正直に言えば慣れてるっていうのが本音だけど……
その時は、お友達がいなかったから……
お友達に顔がいいって言われると、うん、ちょっと今までの感覚と、違うかな?
「今度、着せ替え……」
「ボクは人形じゃないよ?」
昔、仲良くしてた幼馴染がグイグイアピールしてくる件 うさみみ宇佐美 @usami-nano
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。昔、仲良くしてた幼馴染がグイグイアピールしてくる件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます